『ハイマット〜歌曲集』　ベンヤミン・アップル、ジェイムズ・ベイリュー

ベンヤミン・アップル／『ハイマット』

英国BBCのラジオ3が1999年より毎年選出している「ニュー・ジェネレーション・アーティスツ（新しい世代のアーティストたち）」。その2014年に選出されたドイツの若手バリトン歌手、ベンヤミン・アップル（1982年、ドイツ、レーゲンスブルク生まれ）。今回ソニー・クラシカルと専属契約を結び、契約第1弾となるのがこの『ハイマット（Heimat）』と題された歌曲集です。このドイツ語は、しばしば「故郷」「家」という意味で訳されますが、実は英語にも日本語にも訳すことができないニュアンスを持っており、人の誕生と幼年期、その言語、最も初期の経験などの意を含みます。そういった心の奥底に残っている懐かしさを思い起こさせる歌を集めたのがこのデビュー盤です。
　ベンヤミン・アップルの声は、低音から高音まで輝かしい響が印象的です。「その力みのない歌い口は、まるでディートリヒ・フィッシャー=ディースカウのようだ」と高い評価を受けており、ベンヤミン・アップルは、その20世紀の生んだ最高のリート歌手の最後の弟子として晩年に薫陶を受けました。その丹念に磨かれた瑞々しい感性、抑制のきいた知的な歌唱で、作品の意味をわたしたちに伝えてくれます。(輸入元情報)

【収録情報】
● シューベルト：幸せ D.433
● レーガー：子供の祈り Op.76-22
● ヴォルフ：Er ist's
● ブラームス：子守歌 Op.49-4
● シューベルト：孤独な男 D.800
● ブラームス：月の夜 WoO.21
● シュレーカー：森の孤独
● ブラームス：乙女の唇はバラのように赤い WoO.33-25
● ヴォルフ：秘めた愛
● R.シュトラウス：万霊節 Op.10-8
● シューベルト：夜曲 D.672
● シューベルト：遠くへの渇望 D.770
● シューベルト：月に寄せるさすらい人の歌 D.870
● アドルフ・シュトラウス：僕には確かにわかる。君に再び会えることを
● シューベルト：郷愁 D.456
● シューベルト：さすらい人 D.489
● プーランク：ハイド・パーク FP127-2
● ブリテン：グリーンスリーヴズ
● ヴォーン・ウィリアムズ：静かな午後
● ビショップ：Home, Sweet Home
● ウォーロック：My Own Country
● ウォーロック：The Bachelor
● アイアランド：If There were Dreams to Sell
● グリーグ：祖国に寄す Op.58-2
● グリーグ：ある夢 Op.48-6

　ベンヤミン・アップル（バリトン）
　ジェイムズ・ベイリュー（ピアノ）

　録音時期：2016年10月
　録音場所：バイエルン放送第1スタジオ
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）