松平 敬/OTO=KOTO
現代声楽曲のスペシャリストとして唯一無二の活動を展開するバリトン、松平 敬の4thソロ・アルバムは、これまでのアルバムではほぼ無かったバリトンとピアノという一般的な歌曲編成を中心に構成された、いわば「21世紀の日本歌曲名曲選」。いずれも傾向を異にする12の作品に編み込まれた「音と言葉」の多彩なグラデーションが、松平の正統的な声楽技術と変幻自在の声によって圧倒的な解像度でリアライズされ、聴き手の身体、思考、情動、そのすべてに語りかけます。耳の離せなくなる驚異の作品集。(メーカー資料より)
【収録情報】
Disc1
01. 松平頼曉:イッツ・ゴナ・ビー・ア・ハードコア!(1980/2005)
02. 西村 朗:猫町(2015)(詞:萩原朔太郎)
03. 山本和智:アンダンテ・オッセシーヴォ(2020)
04. 高橋悠治:母韻(2001)(詩:藤井貞和)
05. 鈴木治行:口々の言葉(2016)
06. 福士則夫:それなあに?(2018)(詞:福士則夫)
07. 中ザワヒデキ:歌曲『順序』第一番(2006)(詩:松井 茂)
08. 付録 中ザワヒデキ:歌曲『順序』第一番(ピアノ・パート)
Disc2
09. 新実徳英:魂舞ひ(2022)
I.(詞:明恵上人/空海上人)
II.(詞:万葉集)
III.(詞:恩納ナベ/石垣島の毛遊び/おもろさうし)
10. 中川俊郎:マタイによる福音書 第7章3-5節(2023)
11. 稲森安太己:ワルツをひとりで口ずさむ(2019)
12. 篠田昌伸:すみだがわ(2007)(詩:廿楽順治)
13. 佐藤聰明:歌曲集『死にゆく若者への挽歌』(2005-20)
死にゆく若者への挽歌(詩:ウィルフレッド・オーエン)
凶器と少年(詩:ウィルフレッド・オーエン)
草(詩:カール・サンドバーグ)
今日は死ぬのにとてもいい(詩:ナンシー・ウッド)
松平 敬が初演した作品(01,02,03,05,09,13)
本録音が初演となる作品(06,10,11)
松平 敬の委嘱による作品(02,05,10)
松平 敬(バリトン、声)
中川俊郎(ピアノ:02,09,10,13)
篠田昌伸(ピアノ:01,06,07,08,11,12)
工藤あかね(声:02,05)
録音時期:2023年8月29日〜9月1日
録音場所:東京、東大和市民会館ハミングホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
松平 敬(まつだいら・たかし)バリトン
愛媛県宇和島市生まれ。東京芸術大学卒業、同大学院修了。現代声楽曲のスペシャリストとして、湯浅譲二、松平頼曉、高橋悠治、近藤 譲、西村 朗、中川俊郎、川島素晴など150曲以上の作品を初演、クセナキス、シュトックハウゼンなど、演奏至難な作品の日本初演も行う。これまでサントリーホール・サマーフェスティバル、新国立劇場、国立劇場、コンポージアム(東京オペラシティ財団)、東京・春・音楽祭、Just Composed(横浜みなとみらいホール)、草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティヴァルなどに出演。自主企画公演においては、無伴奏独唱曲ばかりを集めたリサイタル、東京23区の区歌・愛唱歌の全曲演奏、音響詩の演奏など、独創的なプログラミングが話題を呼んでいる。CD録音においても、一人の声の多重録音を駆使した『MONO=POLI』(平成22年度文化庁芸術祭レコード部門優秀賞)など(本盤以前に)3枚のアルバムを発表。チューバの橋本晋哉氏とのユニット「低音デュオ」名義でもコジマ録音より2枚のCDをリリース。2019年には、シュトックハウゼンのほぼ全作品を網羅した著書『シュトックハウゼンのすべて』(アルテス・パブリッシング)を出版。第32、34回ミュージック・ペンクラブ音楽賞受賞(研究・評論部門、及び現代音楽部門)。現在、聖徳大学、文教大学、武蔵野美術大学の各非常勤講師。(メーカー資料より)
中川俊郎(なかがわ・としお)作曲家、ピアニスト
桐朋学園大学作曲科卒業。作曲を三善 晃、ピアノを末光勝世、森安耀子各氏に師事。(Music Today '82)国際作曲コンクール第1位。1988年村松賞、2010年第28回中島健蔵音楽賞受賞。他にCM音楽界においても「ACC賞」等受賞多数。東芝EMIから、自作のサントリー「烏龍茶CM曲シリーズ」を収録したCD『chai』、『cocoloni utao』などを、またフォンテックからCD管弦楽作品選集『沈黙の起源』、299 MUSICからピアノ作品集『メッセージ/佐藤祐介×中川俊郎』をリリース。日本現代音楽協会理事、日本作曲家協議会常務理事、お茶の水女子大学非常勤講師。(メーカー資料より)
篠田昌伸(しのだ・まさのぶ)作曲家、ピアニスト
東京藝術大学音楽学部作曲科卒業、同大学院修士課程修了。第22、27回日本交響楽振興財団奨励賞、第74回日本音楽コンクール作曲部門第1位、第9回佐治敬三賞、等受賞。06年Just Composed in Yokohama委嘱作曲家。11年武生国際音楽祭にて作品が招待される。近作では、室内楽「Different tunes」シリーズ、合唱曲「言語ジャック」等があり、ピアノ曲「炭酸」は全音楽譜出版社より出版されている。また、ピアニストとして、新作初演、声楽、器楽とのアンサンブル、レコーディング等、幅広く活動している。(メーカー資料より)
工藤あかね(くどう・あかね)ソプラノ
東京藝術大学卒業。サントリー芸術財団「サマーフェスティバル」、「Tokyo experimental festival」、「テッセラ音楽祭」、「Tete a Tete The Opera Festival(ロンドン)」、「ダ・ヴィンチ音楽祭 in 川口」、「草津夏期国際音楽アカデミー&フェスティバル」、「MFJ音楽祭(ニューヨーク)」、などに古楽からオぺラ、現代音楽に至る作品で出演。新作初演も多く手がける。シェーンベルク/シュタイン編「月に憑かれたピエロ」の世界初録音がレコード芸術にて特選盤。第1回一柳慧コンテンポラリー賞を受賞。ヒロイン役を歌ったレロイ作曲のオペラ「THE鍵KEY」が佐治敬三賞を受賞。(メーカー資料より)
現代声楽曲のスペシャリスト、松平敬の4枚目のソロ・アルバムは、本作は2枚組の意欲作。松平が初演したもの、本作の録音が初演となるもの、委嘱作を中心に、松平の声の多様性と表現力を見せつけている。(CDジャーナル データベースより)