モレナール・エディション・シリーズの1枚で、比較的規模の大きな吹奏楽曲を集めたCD。
吹奏楽曲はたいていは6〜8分の曲が多いが、このCDの収録曲は大半が10分前後、最も長い曲で16分という演奏時間であるが、その分作品の出来は確かな物であり、近年の量産品のような似たような質ではなく1曲1曲の個性はよく感じられる。
短い曲は冒頭に収録されたサリンコフ『バーレスク』ぐらいで、これは日本ではそう聴く事の出来ないロシアの作曲家による吹奏楽オリジナル曲である(日本で演奏されるロシア物は大抵クラシックからの編曲)
これらを演奏するのはオランダ王立陸軍軍楽隊、指揮者はピエール・キュエイペルス隊長。
尚、タイトルにもなっている、ウィンド・ハープのみ作曲者のボロヴィッツがタクトをとっている。
録音は1989年で、この頃のこのバンドは一言で言うならば凄いに尽きる。
技術力の高さもさる事ながら、音楽性が高い演奏であり、大抵こういう新譜参考演奏集というのはどこかニュートラルで、バンドの個性が薄かったりするのだが、このCDは鑑賞用としても全く不足のない、全力投球な演奏で、バンドの個性がハッキリと出ていた、この時代らしい名演だと思う。
録音も特に不足はない。