オランダの楽譜出版社、モレナールが出している参考演奏集である。
このCDは、ソロと吹奏楽団による曲を集めたもので、表題曲スパイスを含む7曲を収録している。
演奏は近年モレナールの参考演奏集によく登場している、ポルトガル空軍軍楽隊、指揮はエリオ・ルイス・サウシーニャ・ムーチョ中佐、アントニオ・マニエル・カルドソ・ロサド少佐、アルトゥール・カルロス・セイラ・ルーキーナ少尉が振っている。
主に新曲を中心とした選曲だが、作品の質は安定した作品が揃っており、安心して聴ける。
編曲物も珍しい曲があり面白い。
演奏のポルトガル空軍軍楽隊は、日本の吹奏楽団とそう変わりはない編成だが、人数が多い大編成のバンド。
当然サウンドも厚みがあり、表現力豊かな演奏を繰り広げており、ニュートラルな演奏が多い参考演奏集の中では鑑賞にも耐える水準の演奏だ。
ソリストはスパイスのソロを務めたシェファー以外は、軍楽隊の隊員がソロをとっているが、いずれもなかなか上手い。
モレナールがポルトガルの吹奏楽団とCDを制作する様になってからは、アファナウディオが録音を担当、本盤も同じです。
アファナウディオはポルトガルの吹奏楽系のレーベルで、柔らかく、鮮明に録れた吹奏楽CDでは良い音質の録音と言えます。
尚、録音年及び収録場所の記載はありません。
最後に、収録曲、ソリスト、指揮者、演奏団体は以下の通り。
T1~3. ユーフォニウムとバンドのための『カタルシス・トリロジー』(ヘルト・スハレイハース作曲)
T4. トランペットとバンドのための『スパイス』(サウル・ソレル・ゴメス作曲)
T5.ヴォカリーズ(セルゲイ・ラフマニノフ作曲 アルスティア・ウィーラー編曲)
T6.トロンボーンとバンドのための『オマイラ』(カルロス・ペリセール作曲)
T7.4本のホルンのための『狩のランデヴー』(ジョアキーノ・ロッシーニ作曲 ヘルト・スハレイハース編曲)
T8.真夜中のカーボーイ(ジョン・バリー作曲 ヨハン・デ・メイ編曲)
T9.アゲンスト・オール・ウッズ(フィル・コリンズ作曲 ベール・ヴァン・クリュシュテン編曲)
ソリスト
T1~3 ゴンサーロ・マルケス1等軍曹
T4 ホセ・シェファー
T5 イザベラ・マルティネス上級伍長
T6 マヌエル・リヴォロ軍曹
T7 ペドロ・マリーニョ軍曹、ディアゴ・エステヴェス上級伍長、ジョアン・ガスパール1等伍長、イヴォ・ヴィエイラ1等伍長
T8 アンドレ・カビカ1等軍曹、ラファエル・メンドーサ上級伍長
T9 デヴィド・ゴンサウベス軍曹
指揮 エリオ・ルイス・サウシーニャ・ムーチョ中佐 T6
アントニオ・マヌエル・カルドソ・ロサド少佐 T1~4
アルトゥール・カルロス・セイラ・ルーキーナ少尉 T5、T7~9
演奏 ポルトガル空軍軍楽隊