イギリスのレーベル、ポリフォニック・レコードの人気シリーズ、グレート・ブリティッシュ・ミュージック・フォー・ウィンド・バンドシリーズ。
現在までに23枚もリリースされましたが、その第1弾がこのCDになります。
このシリーズ、結構珍しい作品が収録されていたりするのですが、本CDでもヴィンター作『ジェームス・クック・サーカムナビゲーター』やジェイコブ『オール・アフット』等、録音の少ない作品が取り上げられています。
またプロデュースをフィリップ・スパークが担当している事もあり、『祝典のための音楽』『スイス祝祭序曲』『劇場の音楽』と3作も取り上げられているのが特徴です。
演奏はロブ・ウィッフィン空軍大尉指揮、イギリス王立空軍西部軍楽隊。
イギリス王立空軍西部軍楽隊は1947年にイギリス王立空軍第5軍楽隊としてブリッジノースで結成、1949年にロッキング空軍基地に移動し、以後そこを拠点として活躍しました。
空軍の地方軍楽隊としては最後まで残ったバンドでしたが、1997年に解散となりました。
ウィッフィン大尉は1985年この軍楽隊の隊長となり、1990年まで務めました。
録音はLP時代に多いのですが、CD時代にも幾つかあり、ウィッフィン大尉時代にはバンドリーダーに録音した『アウト・オブ・ブルー』(1988年録音)そして、それに次ぐのが1989年11月にブレストルの聖ジョージ教会で録音されたこの音源です。
地方軍楽隊といえど表現力も高い上、技術力もあり、どの曲も水準以上の高い完成度をもった演奏と言えるでしょう。
また冒頭のジェームス・クックがわかりやすいですが、イギリスの軍楽隊特有のコルネットの深い音色によるブリティッシュ・サウンドも聴けます。
録音は30年以上前ですが上記の様に教会で録音されたということもあって、適度な残響や、デジタルらしい鮮明で鮮やかな録音と音質面でも問題ありません。
吹奏楽ファンの人におすすめの一枚です。