ポーランドの指揮者=作曲家の伝統
先のショパン・コンクール最終ラウンドで颯爽とした指揮姿を披露したアンドレイ・ボレイコ。サンクト・ペテルブルク生まれですが父方はポーランド系で、2019/20のシーズンよりワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団の音楽監督を務めています。この2枚組のアルバムではワルシャワ・フィルと縁のある指揮者=作曲家たちの作品を取り上げ、偉大な伝統へのオマージュとしています。
ディスク1で紹介されるのはパウル・クレツキ[1900-1973]と、1947年から48年までワルシャワ・フィルの指揮者を務めたヤン・マクラキェヴィチ[1899-1954]の作品。クレツキに作曲家の一面があったことはあまり知られていませんが、立派なオーケストラ曲を遺しています。マクラキェヴィチの『4つの日本の歌』は、ポーランドに留学して日本文化を伝えた梅田良忠[1900-1961]の詩をもとにしたポーランド語のテキストに日本風の旋律を付けたユニークな作品です。
ディスク2では、日本でも馴染み深いスタニスラフ・スクロヴァチェフスキ[1923-2017]と、カトヴィツェのポーランド国立放送交響楽団の創設者及び指揮者として長く活躍したグジェゴシュ・フィテルベルク[1879-1953]の編曲作品を収録。オーケストラの鳴らせ方を熟知した指揮者ならではの練達の管弦楽法が、ブルックナー、ジェズアルド、ブラームスの作品に新たな魅力を加えています。(輸入元情報)
【収録情報】
Disc1
1. クレツキ:シンフォニエッタ ホ短調 Op.7
2. マクラキェヴィチ:4つの日本の歌 Op.25
3. クレツキ:コンサート・ミュージック Op.25
Disc2
4. ブルックナー:弦楽五重奏曲ヘ長調 WAB112〜第3楽章:アダージョ(スクロヴァチェフスキ編)
5. スクロヴァチェフスキ:6つのマドリガル(ジェズアルドのマドリガーレによる))
6. ブラームス:シューマンの主題による16の変奏曲 Op.9(フィテルベルク編)
オルガ・パシェチニク(ソプラノ:2)
ワルシャワ・フィルハーモニー管弦楽団
アンドレイ・ボレイコ(指揮)
録音時期:2020年11月9-12,23-25日、2021年1月19-23日
録音場所:Warsaw Philharmonic Concert Hall
録音方式:ステレオ(デジタル)
世界初録音(1-3,5,6)