『カウンターテナーたち』　ジャルスキー、ショル、レーヌ、ボウマン、ヴィス、ラギン、他

世代を超え、
稀代のカウンターテナーの歌声がひとつに
スペシャル・アルバム

成人男性でありながら、女性が得意とする高音域を見事に歌いこなしてしまう驚異のパート、カウンターテナー。20世紀にイギリスの名手アルフレッド・デラーによってその存在が再認されて以来、今では声楽ファンにもすっかりお馴染みのパートとなっています。女声の柔らかな艶やかさと男声の力強さを併せ持った不思議な歌声に虜となっている方もいらっしゃるのではないでしょうか。
　このたび、そんな独特の魅力あふれるカウンターテナーの響きだけを存分に堪能させてくれるスペシャル・アルバムが、「naive」レーベルからリリース！　アンドレアス・ショル、フィリップ・ジャルスキー、ジェラール・レーヌといった世界屈指の名カウンターテナーたちが「naive」レーベルに残してきた素晴らしいアルバムの中から、珠玉の録音の数々が抜粋・収録されています。
　様々な世代のカウンターテナー達の歌声がひとつになっているのも興味深いところで、それぞれの特徴ある歌唱を聴き比べられるのは本アルバムならではの楽しみです。すでに廃盤となり、今では入手困難なアルバムから多く抜粋されているのも嬉しい限り。マルゴワール、コワン、スピノージといった古楽界の大御所が顔を揃えた伴奏陣の豪華さにも注目されます。ルネサンスからバロック時代のアリアやモテットを中心に据えたプログラムとなっているため、古楽ファンの方々にもおすすめしたいアルバムです。
　また、アルバムの最後にはボーナストラックとして、1994年に公開された映画「カストラート（原題はファルネッリ）」のサウンドトラックから、ファリネッリの兄、リッカルド・ブロスキの歌劇『アルタセルセ』のアリアが収録されています。カウンターテナーとは似て非なるものですが、この映画で男声高音域歌手の存在を知った方も多いのでは。ソプラノとカウンターテナーの歌声を合成し、今となっては聴くことの叶わないカストラートの歌声を再現したことでも話題を呼びました。こちらも原盤は廃盤となってしまっているため、今回の再録は喜ばしい限りです。（キングインターナショナル）

【収録情報】
・ヴィヴァルディ：『主が家を建てられるのでなければ（Nisi Dominnus）』RV.608より『主は愛する者に眠りをお与えになるのだから』
　フィリップ・ジャルスキー（カウンターテノール）
　アンサンブル・マテウス
　ジャン＝クリストフ・スピノージ（指揮）
　録音：2007年7月　原盤：OP0453

・J.S.バッハ：教会カンタータ『彼は羊らの名を呼びたもう』BWV.175より『来たりて我を導きたまえ』
　アンドレアス・ショル（カウンターテノール）
　コンチェルト・ヴォカーレ・デ・ライプツィヒ
　アンサンブル・バロック・ド・リモージュ
　クリストフ・コワン（指揮、ピッコロ・チェロ）
　原盤：E8911（廃盤）

・パーセル：『おお孤独よ、我が甘き選択』Z.406
　ジェラール・レーヌ（指揮、カウンターテノール）
　イル・セミナリオ・ムジカーレ
　原盤：E8915

・グルック：『オルフェオとエウリディーチェ』（1762年／ウィーン初校版）第三幕より『エウリディーチェを失って』（オルフェオ）
　ジェイムズ・ボウマン（カウンターテノール）
　王室大厩舎・王宮付楽団
　ジャン＝クロード・マルゴワール（指揮）
　原盤：E8538（廃盤）

・ヴィヴァルディ：『主は言われた』RV.595より『彼は道ばたの渓流から水を飲み』
　ジェイムズ・ボウマン（カウンターテノール）
　王室大厩舎・王宮付楽団
　ジャン＝クロード・マルゴワール（指揮）
　原盤：E3006

・ダウランド：エセックス伯のガリアード『わが過ちを許してくれようか？』
　ジェラール・レーヌ（カウンターテノール）
　アンサンブル・オルランド・ギボンズ
　原盤：E8919（廃盤）

・J.S. バッハ：教会カンタータ『われはよき羊飼いなり』BWV.85より『イエスはよき羊飼いなり』
　アンドレアス・ショル（カウンターテノール）
　コンチェルト・ヴォカーレ・デ・ライプツィヒ
　アンサンブル・バロック・ド・リモージュ
　クリストフ・コワン（指揮、ピッコロ・チェロ）
　原盤：E8911（廃盤）

・ヴィヴァルディ：『怒れるオルランド』RV.728第一幕より『そなたの下でだけだ、愛しい人よ』（ルッジェーロ）
　フィリップ・ジャルスキー（カウンターテノール）
　ジャン＝マルク・グノン（フルート）
　アンサンブル・マテウス
　ジャン＝クリストフ・スピノージ（指揮）
　原盤：OP30393

・ヴィヴァルディ：『グリゼルダ』RV.718第二幕より『ツバメの恋人』（コッラード）
　イェスティン・デイヴィス（カウンターテノール）
　アンサンブル・マテウス
　ジャン＝クリストフ・スピノージ（指揮）
　録音：2005年12月　原盤：OP30419

・シャルパンティエ：劇的モテット（オラトリオ）『サウルとヨナタンの死』より『ecquid a d s urdos n unc s pargo c armina ?』
　ジェラール・レーヌ（指揮、カウンターテノール）
　イル・セミナリオ・ムジカーレ
　録音：2000年10月　原盤：E8927

・ヘンデル：『エジプトのジューリオ・チェーザレ』HWV.17第一幕より『抜け目の無い狩人は』（チェーザレ）
　ジェイムズ・ボウマン（カウンターテノール）
　王室大厩舎・王宮付楽団
　ジャン＝クロード・マルゴワール（指揮）
　原盤：E8558（廃盤）

・ヴィヴァルディ：『怒れるオルランド』（1714年版）RV.819第二幕より『私は泣こう、涙の波が和らぐまで』（ルッジェーロ）
　デイヴィッド・DQ・リー（カウンターテノール）
　モード・アンティクォ
　フェデリーコ・マリア・サルデッリ（指揮）
　録音：2012年7月、フィレンツェ　原盤：OP30540

・ヴィヴァルディ：『モンテズマ』（ジローラモ・ジェスティ台本）RV.723第一幕より『gl' oltraggidella sorte』
　ドミニク・ヴィス（カウンターテノール）
　王室大厩舎・王宮付楽団
　ジャン＝クロード・マルゴワール（指揮）
　原盤：E8501（廃盤）

・ダウランド：アリア『溢れよ、わが涙』
　ジェラール・レーヌ（カウンターテノール）
　アンサンブル・オルランド・ギボンズ
　原盤：E8919（廃盤）

【ボーナストラック：映画『カストラート』オリジナル・サウンドトラックから】
・R.ブロスキ：『アルタセルセ』より『私は揺れる船のように』
　エヴァ・マラス＝ゴドレフスカ（ソプラノ）
　デレク・リー・ラギン（カウンターテノール）
　レ・タラン・リリク
　クリストフ・ルセ（指揮）
　原盤：V5191（廃盤）