稔と仔犬・青いお城 遠藤周作初期童話

遠藤周作

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309030265
ISBN 10 : 4309030262
フォーマット
出版社
発行年月
2022年03月
日本
追加情報
:
228p;20

内容詳細

暗く貧しき日々に、光を与えてくれた一匹の仔犬。少年に迫りくる残酷な運命の足音―『沈黙』の原点とも言える衝撃作、初の単行本化!人生の「同伴者」を描く知られざる名篇。

【著者紹介】
遠藤周作 : 1923年、東京生まれ。幼年期を旧満州大連で過ごす。神戸に帰国後、十二歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒業。50年から53年までフランスに留学。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア小説や歴史小説、戯曲、「狐狸庵もの」と称される軽妙洒脱なエッセイなど、多岐にわたる旺盛な執筆活動を続けた。55年「白い人」で芥川賞、58年『海と毒薬』で新潮社文学賞、毎日出版文化賞、66年『沈黙』で谷崎潤一郎賞、79年『キリストの誕生』で読売文学賞、80年『侍』で野間文芸賞、94年『深い河』で毎日芸術賞、95年文化勲章受章。96年、逝去(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 桜もち 太郎 さん

    遠藤周作が描く童話ということで読んでみた。「稔と仔犬」で「生きていくことには諦めねばならぬことがあまりに多い」と犬を飼うことに母親に反対された稔が悟る場面が印象的。いじめっ子に言われ、マリア像を空気銃で撃つか、可愛がっている犬を撃つのか、究極の選択を迫られる稔。「沈黙」の原点と言われる物語だけあって奥深さがあった。「青いお城」はりぼんに掲載された少女もの。こちらの方が物語としては面白かった。

  • ぷるぷる さん

    発掘作品集。童話って感じはしませんでした。「沈黙」と同じテーマと思われる「稔と仔犬」は尻切れトンボですが心の奥底に響くようで好きです。「青いお城」は流石に時代を感じさせて、少女雑誌に連載されていたらしい内容で正直退屈なんですが平吉くんは「おばかさん」のガストンに通じるかもなと思えば興味も湧きます。既存の作品を読み尽くしたような、この作家が大好きな人にとっては読む価値高しですが、発掘しなくてはいけないほど埋もれてしまった作品なのも納得するくらいの出来だと思いました。

  • たつや さん

    図書館で見つけた一冊です。遠藤周作の初期の童話は二本収録。表題作の稔と仔犬は踏み絵的な作品でした。どうも、キリスト教に関連する団体の発行する雑誌に連載された様なので、自ずと宗教的な作品に仕上がってます。ただ、え?これで終わり、という感じで尻切れトンボでした。もっと書いていれば、有名な作品が残ったのでは?等と思う。

  • 塩ぽむ太郎 さん

    遠藤周作の童話。キリスト教的な考え方が見られる。踏み絵を彷彿とさせる描写はなんだか切なかった。また、『稔と仔犬』の風景描写が美しい。”さきほどまでは、やわらかな羽のように蒼ざめた空にはそれだけぽっかり薔薇色にうかんでいた小さな雲が,いつの間にか、悲しげな色彩りに変っている。” 個人的には遠藤周作にはもっと児童書を書いて欲しかった。

  • こけこ さん

    あとがきから、この本がいろいろないきさつを経て刊行されたことを知った。童話なので読みやすい分、心が揺さぶられた。私ならどうするんだろう?この本に出合えてよかった。

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遠藤周作

1923年、東京生まれ。幼年期を旧満州大連で過ごす。神戸に帰国後、十二歳でカトリックの洗礼を受ける。慶應義塾大学仏文科卒業。50年から53年までフランスに留学。一貫して日本の精神風土とキリスト教の問題を追究する一方、ユーモア小説や歴史小説、戯曲、「狐狸庵もの」と称される軽妙洒脱なエッセイなど、多岐に

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