蝉しぐれ

藤沢周平

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163102603
ISBN 10 : 4163102604
フォーマット
出版社
発行年月
1988年05月
日本
追加情報
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20cm,436p

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読書メーターレビュー

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  • さゆ さん

    半世紀生きてきて、恥ずかしながら初読みの藤沢周平。素晴らしい作品でした。言葉づかいだけ真似たような薄っぺらい時代小説とは、根底から立ち位置が異なっているように思われた。それにしても昔の子どもは「大人」だなあ。15、6で自身のことよりも家のこと、母のことなどを考える文四郎。不遇をあるがままに受け入れようとし、ことさらに悲劇の主人公的な思惑には絡め取られないのはとても10代とは思えない。日本人って、みなこうだったのだろうか?だとしたら、どこに置いてきたのだろうか?どうしてこういう世の中になってしまったのだろう

  • かずよ さん

    結ばれることない切ない恋、親友たちとの絆、そして最後の死闘凄かった。胸のすく思いもあり、切なさあり、感想は一言では、表せませんね。正に名作です。

  • きょちょ さん

    流石に文章がうまい。 最初は単なる青年・青春小説かと思いきや、主人公の父が政変に巻き込まれ切腹させられるところから話は急変する。 友情や斬り合いも良いが、恋愛小説苦手の私だが、この作品は片方で極上の恋愛小説であり、そちらの話に魅せられた。 最後のぎりぎりの逢瀬が素晴らしい! ★★★★

  • emico さん

    今更ながらの藤沢作品。汚名をきせられ、罠にはまって切腹した父親。「父を愧じてはならん」の言葉を残して死した父の遺体をたった一人引き取りに出かけ、謀反者との罵声を浴びせられながらもひたすら歯を食いしばって車をひくまだ十代の文四郎。 お互い想いあっていても子供すぎ、また世界が違ってしまった為、叶わなかった恋。固い絆で結ばれている友人。それらが上手く絡み合いながら、成長していく文四郎。色んな出来事が起こりながらも最後には綺麗にまとまっている作品。行間が美しいので、浸りながら読みました。

  • スイ さん

    母が今作とドラマ版が好きで、切ない切ないと聞いていたので、恋愛だけの話なんだろう面倒くさそう、とかえって読まずにいたのだけど、読んでみたら恋愛だけじゃない! 家族、友人、更に名前をつけられない様々な人間関係が丁寧に描かれている。 ハラハラする場面もあり、活劇としても楽しめた。 時代物はあまり読んでいないのだけど、描写が上手く、すっと入っていける。 しかし確かに切ない…! 抑え続けた恋心が最後に溢れ出す小説が大好きなので、今作も良かった。 読み終えた後に、耳の奥で蝉の声が聞こえ続けているような余韻もいい。

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