差別の教室 集英社新書

藤原章生

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087212648
ISBN 10 : 4087212645
フォーマット
出版社
発行年月
2023年05月
日本
追加情報
:
272p;18

内容詳細

人の心に貼りつく差別の「種」は、いつ、どこで生まれるのか。
死にかけた人は差別しないか──?
新聞社の特派員としてアフリカ、ヨーロッパ、南米を渡り歩いてきた著者は、差別を乗り越えるために、自身の過去の体験を見つめ、差別とどう関わってきたか振り返ることの重要性を訴える。
本書では、コロナ禍の時期に大学で行われた人気講義をもとに、差別の問題を考え続けるヒントを提示。
熟練のノンフィクション作家が世界を旅して掘り下げる、新しい差別論。

【おもな内容】
はじめに
第1章:死にかけた人は差別をしないか
加藤典洋さんとの共鳴/人間はいつ死ぬかわからない?/人間は有限であると気づくことがもたらす変化/臨死体験がもたらす恥ずかしさ
第2章:アジア人の中にあるアジア人差別
    「一般論」の弊害/『マイナー・フィーリングス』との出会い/アイデンティティーにからめとられる/中国でも日本でもどっちでもいいよ
第3章:日系アメリカ人作家の慧眼
ステレオタイプの受け止め方/白人視線の内面化/不朽の名作『ノーノー・ボーイ』
第4章:ジョージ・フロイド事件と奴隷貿易
ジョージ・フロイド事件とロドニー・キング事件/報道する側にある差別/母語を失うということ
第5章:日本にアフリカ人差別はあるか
東京のアフリカ人/マルクス・ガブリエルさんとの対話
第6章:アフリカ──遠望と条件反射
11歳のときに上野で渡された栞/条件反射の根底にあるもの/助けるってどういうことなんだろう
第7章:名誉白人、属性に閉じ込められる不幸
アパルトヘイト撤廃直後の南アフリカで/中国人老女との出会い/「名誉白人」の起源
第8章:心に貼りついたものと差別と
    足立区で過ごした時代/もんじゃってなんだ?/『砂の器』とハンセン病
第9章:感受性と属性と──学生の問いに答える
    ビリー・アイリッシュは差別的か/若いうちに海外に行くべきか/差別を生む「種」
を探る/差別した人に会いに行く
おわりに

【著者略歴】
藤原 章生(ふじわら あきお)
ノンフィクション作家。
1961年、福島県いわき市生まれ、東京育ち。
北海道大学工学部卒業後、エンジニアを経て、89年、毎日新聞社入社。
特派員としてヨハネスブルク、メキシコシティ、ローマ、郡山に駐在。
2005年、『絵はがきにされた少年』で第3回開高健ノンフィクション賞受賞。
著書に『ガルシア=マルケスに葬られた女』(集英社)、『資本主義の「終わりの始まり」』(新潮社)、『ぶらっとヒマラヤ』(毎日新聞出版)、『酔いどれクライマー 永田東一郎物語』(山と溪谷社)など。

【著者紹介】
藤原章生 : ノンフィクション作家。1961年、福島県いわき市生まれ、東京育ち。北海道大学工学部卒業後、エンジニアを経て、89年、毎日新聞社入社。特派員としてヨハネスブルク、メキシコシティ、ローマ、郡山に駐在。2005年、『絵はがきにされた少年』で第三回開高健ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • まゆまゆ さん

    自分と違う見た目や出身、職業といった他人との違いからうまれる差別について、筆者自身の海外在住経験を踏まえた様々な事例を紹介しながら考えていく内容。実体験からくるエピソードなのでそれぞれの状況を想像しやすく考えやすかった。人は3人集まると差別を始める。瀕死体験した人は達観した目で世界を見るようになる。

  • yoneyama さん

    著者のこれまでの実体験から問題を掘り起こしていくのでケースに入り込みやすい。個人的な体験もあるし、識者とのインタビューもあるのが、経験豊富なジャーナリストの強みだ。2001年テロの時アメリカの悲劇を見て、一般化されたアメリカ像で溜飲を下げる話、インド人の口まねをして笑わせる事を冗談としか思わなかった話、私自身にも覚えがある。小さなことばのやりとりから「差別とは何か」をとことん考える態度が学べる。ノーノーボーイも読んで見たい。同世代だ。尾崎紀世彦はプレスリーだったんだ。

  • Bevel さん

    「「どうしたら差別を意識しない、あるいは差別しない人間になれますか」という問いが結構多かったんですけど、どうでしょう。自分の場合、そういう気持ちになるときは、「常に明るい人間でありたい」と思ってきました。そして、「きちんと自己主張する人間でありたい」と。」(253)。こんな感じで求めてるものはだいぶ違っていた。ジャーナリストとしてのアフリカでの生活からくる経験と、それについての読んだ本の自由な参照を伴う内省からなる感じ。いろんなところにいって溶け込める人の話はそりゃ面白いよな、と思った。

  • とりもり さん

    「教室」と言っても、一般化された講義ではなく、著者が海外や日本の幼少期に体験したことをベースに差別について考える本。納得できるところ、できないところか混在しているが、それを含めて色々と考えさせられた。差異があるのは当たり前で、子どものような無邪気さはそれをからかいやいじめにしてしまいがち。ところが、その差異を属性によって一般化してしまうと、途端に差別の原因になる。性別、国籍や肌の色なんて、数ある属性の一つに過ぎないのに。結局は、差別の源泉は相手に対する理解を拒絶する意識にある気がした。★★★★☆

  • ゆゆゆ さん

    相手がわからない状況、初対面では特に「枠」「集合体」を糸口として、その人を理解しようと思う。まずはそれがキッカケであっても、実際に対話を重ねていく中で必ず自分の中に認識の変化が起きてくる。属性ではなく「個」をみること、とても大切にしたいと思う。そして、困った人を助けるという行為に対する自分の反応について、「助けるかもしれないし、助けないかもしれない」それはその瞬間に自分がどうするかの話だと。頭で理解したつもりにならずに居たい。

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藤原章生

ノンフィクション作家。1961年、福島県いわき市生まれ、東京育ち。北海道大学工学部卒業後、エンジニアを経て、89年、毎日新聞社入社。特派員としてヨハネスブルク、メキシコシティ、ローマ、郡山に駐在。2005年、『絵はがきにされた少年』で第三回開高健ノンフィクション賞受賞(本データはこの書籍が刊行された

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