小松とうさちゃん 河出文庫

絲山秋子

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309417226
ISBN 10 : 4309417221
フォーマット
出版社
発行年月
2019年12月
日本
追加情報
:
208p;15

内容詳細

大学で非常勤講師をしている小松は、新幹線で知り合った同い年の女性みどりに恋心を抱いたが、この先どう進めていいか分からない。呑み仲間の敏腕サラリーマン宇佐美のアドバイスで、ふたりは少しずつ距離を詰めていくのだが、そこにみどりの仕事を取り仕切るいかがわしい男、八重樫が現れて…。おっさん二人組の緩やかな友情のなかに、人生の切実さを見つめる傑作。

【著者紹介】
絲山秋子 : 1966年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、住宅設備機器メーカーに入社し、2001年まで営業職として勤務する。2003年「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞、2004年「袋小路の男」で川端康成文学賞、2005年『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、2006年「沖で待つ」で芥川賞、2016年『薄情』で谷崎潤一郎賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • じいじ さん

    ほんわか…心地よい小説です。どこにでも居そうな二人の中年男が、実にいい味を発揮しています。52歳独身で実家暮らしで大学の非常勤講師、もう一人はサラリーマンで妻子持ちの二人が主人公。或る日、独身・小松に、仕事に向かう新幹線で「恋」が芽生えます。女ごころにウブな彼は、朋友の助言を得て、彼女にラブレターを…。勘の良い彼女は、彼に入れ知恵をする輩がいることを見抜きます。いっぱしの50男のクソ真面目な恋の行方が気になります。中年オヤジの友情と恋路を描いた一冊。これまでとは違う、絲山さんに出合いました。

  • kei302 さん

    解説は小川洋子さん。読む価値ありのすてきな解説。ほかに『ネクトンについて考えても意味がない』『飛車と騾馬』2つおまけ付き。 単行本で読んだときは、細切れに描かれる三人:小松 宇佐見 みどりに振り回されて読み終わったけど、今回はじっくり味わいながら読めた。 210番館のネトゲ繋がり読み。こちらは戦系?のゲーム。みどりさんの裏のカオがラストで明かされるのが愉快だった。

  • ざるこ さん

    大学非常勤講師52才の小松とサラリーマンでネトゲにハマる宇佐美。どこにでもいそうなおっさんたち。でもあら不思議。読み終えるととっても魅力的。ゲームも惰性、家庭も冷めてる宇佐美が小松の恋によっていい味を出してくる。この2人、厚い友情で結ばれた親友などではない。居酒屋で顔見知りの単なる呑み友達ってとこがいい。相手がわからないゲームでも現実でも他人との縁ってやっぱりおもしろい。ラスト辺りの繋がりは無理矢理感あるけど、まぁいいじゃないと思える。ミズクラゲと精神が繋がる2作目は生き方指南書みたいな不思議な読み心地。

  • 優希 さん

    冴えない地味なおじさんの何気ない物語に癒されます。

  • 路地 さん

    冴えない中年ながらも素直でどこか芯の強さと教養を感じさせるおじさん2人組。簡潔に描かれている2人の心の動きがこの作品の主題で、みどりさんと八重樫や、少しご都合主義とも思える結末は舞台装置にすぎないのかなと感じた。もしも映像化されたら面白い作品になりそう。

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絲山秋子

1966年東京都生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。住宅設備機器メーカーに入社し、2001年まで営業職として勤務する。’03年「イッツ・オンリー・トーク」で文學界新人賞、’04年『袋小路の男』で川端康成文学賞、’05年『海の仙人』で芸術選奨文部科学大臣新人賞、’06年『沖で待つ』で芥川賞、’16年『

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