CD

管弦楽作品集 第5集〜二人静、セレモニー 準・メルクル&ハーグ・レジデンティ管弦楽団、青木涼子、イルゼ・エーレンス、マリオ・カローリ

細川俊夫 (1955-)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
NYCX74656
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
日本
フォーマット
:
CD

商品説明


能を題材にした細川俊夫のオペラ『二人静』と『セレモニー』

能に強い関心を持つという細川俊夫によるオペラ『二人静』。細川はこれまでにも『班女』『松風』『海・静かな海』など、能を現代化したオペラを創作してきていますが、この『二人静』は能の同名作品を基に、平田オリザが地中海に漂着した難民少女と静御前の悲劇を重ねて新たに脚色した日本語の物語によるものです。『大鴉』(2014)と姉妹関係をなす作品としてアンサンブル・アンテルコンタンポランの委嘱により作曲され、2017年にパリで初演されました。また2021年8月にはサントリーホールの「サマーフェスティバル2021」で日本初演が行われ、深い感動を呼んだのも記憶に新しいところです。アルバムでは初演者の能声楽家、青木涼子とソプラノのイルゼ・エーレンスが幽玄な世界を神秘的に歌い上げています。
 フルート協奏曲『セレモニー』は、チューリッヒ・トーンハレ管弦楽団とアンサンブル金沢の共同委嘱により2021年10月から2022年3月にかけて作曲、初演者エマニュエル・パユに捧げられました。細川はソリストを「人」、オーケストラを「自然や宇宙」と捉え、今回はシャーマン(呪術師)と彼が呼びかける世界を象徴する構図を採用しています。フルートを通じて「息=霊魂・精霊」が音となって現れ、5部構成の儀式的な音楽が展開されます。フルート奏者は、フルート、アルトフルート、ピッコロを持ち替えながら演奏し、最終的に自然に溶け込み「鳥」となるイメージで終わります。パンデミック中に作曲された本作は終息への祈りも込められた作品です。彼の友人にして良き理解者の準・メルクルが指揮するハーグ・レジデンティ管弦楽団は、ドラマティックな抑揚と繊細な音色を巧みにいかし、作曲家のイメージを余す所なく伝えます。

※作曲者による日本語解説と、歌詞の日本語テキストが付属いたします。

「細川俊夫作曲オペラ『二人静〜海から来た少女〜』は、私の音楽人生において最も大事な作品の一つです。2017年フィルハーモニー・ド・パリでのマティアス・ピンチャー指揮アンサンブル・アンテルコンタンポランとの世界初演後も何度も世界各地で演奏を行ってきました。台本は劇作家の平田オリザさんが能『二人静』を基に現代の物語に書き下ろしたもので、私は静御前の役を、ソプラノは難民の少女ヘレンを演じています。細川作品は能に触発されたものが多いのですが、謡は『二人静』で初めて使われ、今のところ唯一の作品です。謡がソプラノとオーケストラと一体になって響く本作品は今までにない新しい音楽だと思います。今回は2024年3月に美しい響きのAmareホールにて、初演のアンサンブル版より弦楽器を増員し、準メルクル指揮ハーグ・レジデンティ管弦楽団と録音を行いました。素晴らしいオーケストラとの共演はとても幸せな時間で、録音を聴く度に今でもその時を思い出します。静寂から生まれる深淵な響きに耳を傾けつつ、いまだに世界で続く悲しい出来事についても考える機会になればと思います。」〜青木涼子(輸入元情報)


【収録情報】
細川俊夫:
● セレモニー(2021-22)
〜フルートとオーケストラのために

 マリオ・カローリ(フルート、ピッコロ、アルトフルート)

● オペラ『二人静〜海から来た少女〜』(2017)〜1幕1場 能『二人静』による
  原作(日本語): 平田オリザ/オペラ台本(英語): 細川俊夫
 1. Prelude, Sorrow Sea
 2. Where do I come from? - I was floating in the ocean…
 3. Who is there?
 4. Is that a poem or a song?
 5. Stop! Hang on!
 6. Dance
 7. I was with child…
 8. Where do I come from? - Far across the ocean, there is war…

 イルゼ・エーレンス(ソプラノ/ヘレン)
 青木涼子(能声楽家/静)

 ハーグ・レジデンティ管弦楽団
 準・メルクル
(指揮)

 録音時期:2024年3月14-17日
 録音場所:オランダ、Concertzaal, Amare, The Hague
 録音方式:ステレオ(デジタル)
 全て世界初録音

 輸入盤国内仕様(日本語解説&歌詞訳付き)


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去年だったか、サントリーホールでの公演で...

投稿日:2025/06/28 (土)

去年だったか、サントリーホールでの公演で「二人静」がプログラムにのぼっていたが残念ながら行けずにいたので「ようやく聴ける」と喜んでいる。  音楽作品としては「セレモニー」の方が近作となる。フルートとオケが互いによりつ離れつしながらフルートが歌と祈りを奏でオケがそれを包み込むようなイメージで聴いている。細川作品では初期のころからフルートの曲が多いように思うが、楽器の使い方や音の味付けはより多彩になり面白く、そして心に澄み渡るように響きが入ってくる。  「二人静」は能にインスピレーションを得ている。これは細川作品では定番といえるが、ここでのテーマは静御前(の霊)と難民の女性二人の邂逅。それぞれが運命で引き寄せられるように出会い、ひとつに重なって、おそらくやがて離れていく。そこに残るのは心の繋がり。どのようなストーリーかは聴いてみていただきたいが、おそらく聴く人それぞれに違った心象風景が現れると思う。私個人の感想としては音楽を聴くというより二人の女性の言葉の掛け合いがまずあり、そこに音楽が付随するような作品と捉えている。ここに使われている言葉がシンプルな分、いろいろな思考が往き来する、「言葉の呼吸」のような作品のように思う。できれば映像作品として舞台上演で観たいところではあるがそれはリクエストとして。また、「班女」「松風」のリリースも待ちたいし、さらに今年(2025年)8月にお披露目されるオペラ「ナターシャ」も楽しみ。今後も細川俊夫の作品を楽しみにしている。

うーつん さん | 東京都 | 不明

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