国語入試問題必勝法 講談社文庫

清水義範

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784061847743
ISBN 10 : 4061847740
フォーマット
出版社
発行年月
1990年10月
日本
追加情報
:
15cm,250p

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私はこの本で清水さんに嵌りました。作品解...

投稿日:2012/02/08 (水)

私はこの本で清水さんに嵌りました。作品解説で丸谷才一氏が「注目すべきパロディスト」と賞している通り、数々のパロディ形態=模倣(清水氏はパスティーシュと称している)はもはやこの人の専売特許。清水義範=パスティーシュ、である(一度読めば、パスティーシュとはいかなるものなのかご理解いただけると思います)。そして、この人の本は本当に笑えます。著者は愛知教育大学の国語科を卒業していて、ほかの教科に関する指南書(『はじめてわかる理科』などのシリーズ)も出していますが、やはり殊に国語教育について語る機会が多い。誰もが(特に国語ギライが)一度は疑問に思ったことがあるだろう、国語問題の曖昧さ。それを「ピントが外れている文章こそ正解!問題を読まないでも答えはわかる」と教える家庭教師によって描きだしています。その着眼点、描き方が実におもしろいです。上記表題作のほか「猿蟹合戦とは何か」も私好みでした。確か他の本でも「猿蟹合戦」について書いていたような気がします。「猿蟹合戦」が象徴するものは何なのか――清水さんの熱い考察を楽しめます。ちょっと知的に、皮肉屋さんになって笑いたい時に、おすすめです。

peko-rock さん | 大阪府 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ♪みどりpiyopiyo♪ さん

    おもしろかった♪ 初めて読む作家さんかと思ったら、サイバラとどこへでも行く あのシミズ氏か☆■短編小説7つ。パロディで笑いに包んだ批判精神(?)。あの時代に見えてきた矛盾は今も続いてるのね。■『時代食堂…』と痴呆老人目線の『靄の中の…』はちょっとしんみり。『ブガロンチョ…』は某糸氏の某食堂を想起。表題作と『人間の風景』のオチがw。作中で弄られてた丸谷才一の解説も楽しい♪ ■全編を通して「『自分は立派な人間だ』と思いたいおっさん」を揶揄してるのが隠れた主題(なのか?)。長嶋茂雄さんが好きになりました♪(→続

  • HANA さん

    再読。先に読み返した『蕎麦ときしめん』に比べると、どちらかというと普通の小説が多いなという印象。表題作「国語入試問題必勝法」は点を取るためのものと成り下がった国語を茶化した傑作だけど、よく考えると自分も国語のテストは文章読んでなかったなとちょっと愕然とする。全体の文章読まずに問題で出されている文章だけ読み、それから逆算する方が楽に点を取れるのよね。パロディとして優れているのは老人たちのリレー小説「人間の風景」の方かな。「霧の中の終章」は優れたホラーとして読めるし、どれを読んでも楽しめるいい一冊でした。

  • 吉野ヶ里 さん

    議論の脆さに「大丈夫か、これ」と思ったら、評論じゃなくて小説だったというオチ。マジかよ。『猿蟹合戦とはなにか』猿はDV男、蟹は女。ちょっと笑った。雑だが面白いこじつけ。『国語入試問題必勝法』半分くらいわりと、そんな感じだよね、国語って。『時代食堂の特別料理』料理だっつってミカンが出てきたらその時点でキレるよ、俺なら。関係ないけど。『靄の中の終章』ボケ老人ってこんな感じなのかしらん。どうでもいい。『ブガロンチョの…』良い感じにナンセンス。ちょっとお腹すく。『人間の風景』ネタがなくなった小説家が書きそう。

  • ゆかーん さん

    本を読むことは好きですが、国語の問題を解くのが苦手な私としては気になってしまった一冊。まじめに必勝法を語っていながらも、どこか面白おかしく笑ってしまう部分が満載でした。受験生の時に出会っていたら受験もバッチリだったかもしれません!?為になるというよりか、こんな考え方もあるのかと、終始ニヤニヤしながら読んでしまう娯楽本といった感じでした。お勧めは『猿蟹合戦とは何か』『靄の中の終章』『いわゆるひとつのトータル的な長嶋節』です。特に『いわゆる〜』の、ポジティブ長嶋とネガティブ村山の対比が実に面白かったです(笑)

  • ばりぼー さん

    二十数年ぶりの再読。国語入試問題の胡散臭さを風刺した表題作は、歴史に残る傑作です。ケッサクと表記したほうがいいかも(笑)。意外と「選択肢は大小展外+誤」とか「長短除外の法則」「正論除外の法則」などは的を射ているような気もします。旧仮名遣いに拘る丸谷才一氏を茶化した「猿蟹合戦とは何か」、からかわれている当人の丸谷氏が解説で「釈然としない」って…(笑)。ボケはじめた老人の崩壊ぶりが筒井チックな「靄の中の終章」、伝えたい内容が高度過ぎて言語能力が追いつかない「いわゆるひとつのトータル的な長嶋節」などが印象的。

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人物・団体紹介

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清水義範

1947年愛知県生まれ。愛知教育大学教育学部国語学科卒業。1981年『昭和御前試合』でデビュー。1986年『蕎麦ときしめん』が話題となり、独自のパスティーシュ文学を確立する。1988年『国語入試問題必勝法』で第9回吉川英治文学新人賞を受賞。2009年、名古屋文化の神髄紹介とユーモアあふれる作風により

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