選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子 文春文庫

河合香織

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784167916831
ISBN 10 : 4167916835
フォーマット
出版社
発行年月
2021年04月
日本
追加情報
:
267p;16

内容詳細

その女性は出生前診断で「異常なし」と報されて子供を産んだが、実は誤診でダウン症児だと告げられる。三カ月半後、乳児は亡くなった。自己決定の機会を奪われた女性は医師を提訴するのだが―“命の選択”に直面した当事者たちの内面に肉薄する、大宅壮一ノンフィクション賞&新潮ドキュメント賞W受賞作。

目次 : プロローグ 誰を殺すべきか?/ 望まれた子/ 誤診発覚/ ママ、もうぼくがんばれないや/ 障害者団体を敵に回す覚悟はあるのですか?/ 提訴/ 母体保護法の壁/ ずるさの意味/ 二十年後の家族/ 証人尋問/ 無脳症の男児を出産/ 医師と助産師の立場から/ 判決/ NIPTと強制不妊/ 私が殺される/ そしてダウン症の子は/ 善悪の先にあるもの

【著者紹介】
河合香織 : 1974年(昭和49年)生まれ。神戸市外国語大学外国語学部ロシア学科卒業。2004年に出版した『セックスボランティア』で、障害者の性と愛の問題を取り上げ、話題を呼ぶ。09年『ウスケボーイズ―日本ワインの革命児たち』で小学館ノンフィクション大賞、19年『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』で大宅壮一ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • nyaoko さん

    高年齢出産の為、出産前診断をした身内がいる。当時、それを聞いた私は激しく拒否感を顕にした。「避妊とは?」「障害にも色々あるけれど?」「何故?」「何故?」と言った沢山の感情だ。とは言え口には出来ず、陰性だったその子は無事に生まれた。本書を読み、改めて出生前診断の内容と優生保護法の事を知り、激しく動揺した。何処にも正しい答えがないように思えた。医師も助産師も看護師も、母親も、赤ちゃんも、みんな置き去りにされている。しかし、生まれて来なくていい命なんてない。どこにもないと信じたい。

  • cao-rin さん

    出生前診断。重い重いテーマでした。読んでる間中、ずっと自分だったらと考えていました。命の選択にも直結するこの検査には、法律の矛盾やもっと議論すべき点を有耶無耶にしたまま、妊婦だけにその選択の負担を押し付けた状態になっていると感じました。声なき胎児の命を一体誰が選択出来るでしょう。短く苦痛だけの命なら産まれてこない方が良かったのでしょうか。そんな単純な話ではないのです。ダウン症当事者の「生まれてこなければ良かった命なんてない」という言葉だけは本質をついていると思いました。

  • ロア さん

    様々な立場にある当事者たちの本音が率直に語られていると感じた。このような言葉を引き出す著者の取材力が素晴らしい。大宅壮一ノンフィクション賞&新潮ドキュメント賞W受賞と言うのも納得です。

  • がらくたどん さん

    18年の出版当時の感想メモには「何が正解かわからない。どう生まれても幸せに生きられる社会でありたい」と。終末期の「死ぬ権利」と同列にリビングウィルを明示できない胎児の「生まれない権利」を考えてよいのか自分には大きな違和感が残る。出世前診断技術が洗練され誤診率が僅かになれば良いのかという問題でもない。どれだけ説明を尽くしても周産期の心身共に不安定な母親に胎児の命のオンオフボタンを渡す残酷さは拭えないとも思う。ある革新的な技術が生まれた時、使い方を十分吟味する前に使い始めないだけの辛抱ができる社会でありたい。

  • shigeki kishimura さん

    "「わかっていたら中絶した」と断定せずに「中絶した可能性が高い」と訂正"するように母親がこだわった気持ちが痛いほどわかる。それはきっと私にも子供が産まれたからだろう。もし子供がいなかったら、その訂正へのこだわりは理解できなかったと思う。

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河合香織

ノンフィクション作家。1974年生まれ。神戸市外国語大学卒業。東京大学大学院学際情報学府修士課程修了。2009年『ウスケボーイズ 日本のワインの革命児たち』で小学館ノンフィクション大賞を受賞。2019年『選べなかった命 出生前診断の誤診で生まれた子』で大宅壮一ノンフィクション賞、新潮ドキュメント賞を

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