【中古:状態A】 私は本屋が好きでした あふれるヘイト本、つくって売るまでの舞台裏

永江朗

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A
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帯あり
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基本情報

ジャンル
カタログNo
9784811808390
レーベル
日本
フォーマット

内容詳細

(こちらは新品の内容詳細となります。参考として下さいませ。中古商品にはサイト上に記載がある場合でも、封入/外付け特典は付属いたしません。)

反日、卑劣、心がない。平気でウソをつき、そして儒教に支配された人びと。かかわるべきではないけれど、ギャフンと言わせて、黙らせないといけない。なぜなら○○人は世界から尊敬される国・日本の支配をひそかに進めているのだから。ああ〇〇人に生まれなくてよかったなあ……。

だれもが楽しみと知恵を求めて足を運べるはずの本屋にいつしか、だれかを拒絶するメッセージを発するコーナーが堂々とつくられるようになった。そしてそれはいま、当たりまえの風景になった──。

「ヘイト本」隆盛の理由を求めて書き手、出版社、取次、書店へ取材。そこから見えてきた核心は出版産業のしくみにあった。「ああいう本は問題だよね」「あれがダメならこれもダメなのでは」「読者のもとめに応じただけ」と、他人事のような批評に興じるだけで、無為無策のまま放置された「ヘイト本」の15年は書店・出版業界のなにを象徴し、日本社会になにをもたらすのか。

書店・出版業界の大半が見て見ぬふりでつくりあげてきた憎悪の棚≠直視し、熱くもなければ、かっこよくもない、ごく普通≠ナ凡庸な人たちによる、書店と出版の仕事の実像を明らかにする。


[目次]
◎すこし長いまえがき─不愉快な旅だちのまえに 
本屋はただそこにあるだけで影響力がある/モラルハザードが起きやすい流通システム/「返品しない」のも判断/書店員も組織の一員/どんどんネトウヨが喜ぶ社会に/ヘイト本を「ヘイト本」と呼ぶのは適切か/インターネットが生んだ出版トレンド/雑誌・ムックから書籍・新書へ/ヘイト本とポルノの類似性

1◎ヘイト本が読者に届くまで
■町の本屋のリアル─書店経営者座談会
「こういう本を望んでいたんだよ」/女性が『WiLL』を買うのを見たことがない/反対する本は、どれもこれも売れそうにない/中高年男性の癒しとファンタジー/どの店でも売れるわけではなかった/新書はブームのきっかけになりやすい/中韓経済崩壊本は『ムー』と読者が重なる/買う・買わないはお客さんが判断すること/いちど出版しておいて、引っこめるのはおかしい/女性客が多い店で「成人向け」は置けない/営業に支障が出るのは怖い/店が小さくったって、間口は狭めちゃだめ

■チェーン書店─ 個人の意思だけでは決められない
すべてがオートマチック─ 某大手チェーン本部の場合/どう扱うかは各店にまかされる─あゆみBOOKSの場合/書店人としての意見を旗幟鮮明にする─ジュンク堂書店・福嶋聡の場合/クレームへの対応─「アリーナとしての書店」の困難@/「書店員の仕事」ができない─「アリーナとしての書店」の困難A/どんな本も積極的に排除はしない─某大手書店の場合

■出版取次─まったくの透明な装置
出版社と書店のあいだを取り次ぐ〞会社/「出版社がつくった初版部数を基本、信頼はする」/「そもそも、ヘイト本のブームなんてありましたっけ?」/担当書店の返品率をいかに下げるか/ヘイト本ブームとPOSは無関係?/たんに入荷したから並べているだけ

■出版社─「売れるから」と「売れなくても」
ちょっと新しい見方の本/売れたジャンルをイナゴのように食いつくす/歴史に名を残す出版社の大転回〞/パワハラとヘイト本/ひと炎上三万部/自己実現〞のための本づくり

■編集者─かなりの部分、仕事だからやっている
インターネットが重要な供給源/編集者は仕事だからやっている/青林堂でピンチヒッター=^読むのは意外と知識層=^『マンガ嫌韓流』刊行の立役者もあの人?/保守系の本をつくる人にはバランス感覚が必要

■ライター─願望をなぞり、陰謀をほのめかす
「こんなの読むのはバカだよね」/ヘイト本の読者はネット右翼ではない/ネット右翼誕生の伏流、『戦争論』/保守デフレ時代を生きのこる「経済右翼」/ネットと無知の融合が生んだ都市伝説/民主化以前の韓国をみんな知らない/自信がないから日本自賛本を読む/ヘイト本ブームが去っても

2◎ヘイト本の現場を読み解く
■川上から川下まで─ 出版界はアイヒマンか
ヘイト本はポルノとは違う/ホロコーストも、こんなふうに

■書店への幻想─書店員は本を選べない
セレクト書店はヘイト本を選ばない/「書店=アリーナ」論は有効か/本屋大賞の成功と「カリスマ書店員」と/ひろがる誤解、ふくらむ幻想/選ばないのか、選べないのか

■取次の岐路─いまのままでは維持できない
POSデータが生んだ画一化とランキング依存/出版業界の外から迫る危機

■出版社の欺瞞─だれも責任をとらない
不本意な仕事の結果にも責任がある/本当は出してはいけないものを知っている/編集者の名を本に明記するべき

■ネットと本とマスメディア─ 刷りこまれる嫌悪感
「ヘイト本を買うのは普通のこと」/マスメディアによる日常的な刷りこみ/自分の店にマイノリティが来ると思っていない/現代でも人間は簡単に扇動される/マスメディアへの不満のはけ口/わたしたちになにができるか

◎すこし長いあとがき─変わらなければ、滅ぶだけ 
この難題とどう向きあえるか/答えは出ているのに変われない現状/日本の出版産業の欠陥のあらわれ/人≠ェ働く本屋をとりもどすには/パターン配本と委託制をやめなければ変われない/ヘイト本が客を遠ざけてはいないか/魅力のない本屋は滅びるのだから

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本書は、大きく分けて二つの問題を扱ってい...

投稿日:2021/02/23 (火)

本書は、大きく分けて二つの問題を扱っています。まず、経営的な問題も含めた本屋(書店)の現状。もう一つは、多くの人にとって心地よくないと思われるヘイト本が、その店頭に溢れる現状。著者は取材を重ねることによって、この二つが全く無関係な事象ではなく、現在の出版産業が置かれた現状から出てきたものだと考えています。 いわゆるエロ本や性風俗関係の書籍・雑誌は年齢制限がかけられたり、コンビニを含め多くの人の目に触れるところから排除されていきますが、一方、人権的な観点から問題が指摘されているヘイト本にそういうことは起こりません。極めて不思議とも思える現象です。だからこそ、問われているのは出版に関わる人の人権意識なのです。それも含め、外から見ても分からない出版界の問題点(例えば、本屋大賞のこと)が指摘されています。 書店がつまらない→だからお客が減る→とにかく売れる本を置くしかない、という悪循環に陥った本屋には未来はあるのでしょうか。本屋さんもですが、顧客にもするべきことがあるはずです。

ねも さん | 兵庫県 | 不明

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人物・団体紹介

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永江朗

1958年北海道生まれ。書籍輸入販売会社勤務、雑誌編集者を経て、フリーライター。書評、インタビュー、エッセイ、批評などを執筆。2011年5月より、東京・京都の二都生活を送る。24年、東京の自宅を処分し京都を終の住処とする(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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