CD 輸入盤

そして、それが風であることを知った、ほか エイトケン、ほか 

武満 徹(1930-1996)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
8555859J
組み枚数
:
1
レーベル
:
:
International
フォーマット
:
CD

商品説明

TAKEMITSUの音に耳をすます
 武満 徹 作品集《そして、それが風であることを知った》
武満 徹(1930−1996)。この日本を代表する作曲家の作品群から選ばれた一枚の室内楽作品集を編み綴じる横糸は「水」。雨から海へと巡ってゆくひと筋の流れを予感しつつ、聴き手へ返されていくさまざまな思い。彼の音に耳をすますことで聴き手それぞれの縦糸が見えてくるようです。《そして、それが風であることを知った》(1992)。この美しい題名は、没後にその詩作の数々が知られるようになったアメリカの詩人・エミリー・ディキンソンの詩からとられています。《雨の樹》(1981)は大江健三郎の小説『頭のいい雨の木』に触発された作品。3人の打楽器奏者が奏でる雨のしずく。《海へ》(1981)を奏でるアルト・フルートのフラッター奏法は、尺八の音色を即座に想起させます。《ブライス》(1976)は演奏に参加している打楽器のエンゲルマンの息子に捧げられた作品。不思議な響きで満たされる縁のない音の輪。フルート独奏のために書かれた3曲のつらなり。《巡り》(1989)は武満の友、彫刻家イサム・ノグチを追悼する作品です。人の声とフルートが対峙し、交通していく《ヴォイス》(1971)。幽寂な気配に心が奪われる《エア》(1995)は武満最後の作品となりました。最後の《雨の呪文》(1982)で降る雨はどんな風景を映しているでしょうか。フルートのエイトケンを始め、生前の武満と親交があり直接に指導を受けたカナダの演奏家たちが武満への限りないリスペクトを込めています。なお、ジャケットは1920年代フランスの香りが漂うレオネット・カッピエロによる雨傘のコマーシャル・ポスターをあしらっています。


武満徹のカナダの友人たちによる直伝の室内楽作品集

フルート奏者ロバート・エイトケンは武満徹を深く尊敬し、1975年と83年の二度にわたり武満をカナダに招待しました。そこで武満はエイトケンの仲間アンサンブル・ネクサスの音楽家たちと親交を結ぶことになります。このCDに収録された作品の大半は、これらの音楽家たちが武満から直接指導を受けて彼のために演奏したものです。「そして、それが風であることを知った」は、オーレル・ニコレ、今井信子、吉野直子が水戸で初演した作品です。「雨の樹」は大江健三郎の同名小説にヒントを得た作品。「海へ」「夜」「白鯨」「鱈岬」は海および水をテーマにした作品です。「ブライス」はこのCDでも演奏している打楽器奏者エンゲルマンの息子に捧げられ、「ヴォイス」「エア」(武満最後の作品)はニコレに献呈されました。「巡り」は彫刻家イサム・ノグチへの追悼作品です。最後の曲「雨の呪文」は日本の現代音楽アンアンブル「サウンド・スペース・アーク」のために作曲されました。武満が終生魅せられていた「水」に関係する作品が多く集められていますので、聴いた人は、水の諸相と親和する武満の浄化された音楽にゆったりと包まれることでしょう。


日本作曲家選輯
音楽史上、唯一無二の鋭敏な感性に耳を澄ます

武満 徹
そして、それが風であることを知った(フルート、ヴィオラとハープのための)
雨の樹(3人の打楽器奏者のための)
海へ(アルト・フルートとギターのための)
ブライス(フルート、2台のハープ、マリンバと打楽器のための)
巡り - イサム・ノグチの追憶に(フルート独奏のための)
ヴォイス(声)(フルート独奏のための)
エア(フルート独奏のための)
雨の呪文(フルート、クラリネット、ハープ、ピアノとヴァイブラフォンのための)

ロバート・エイトケン(フルート)
ニュー・ミュージック・コンサーツ・アンサンブル [ノーバート・クラフト(g)/エリカ・グッドマン(hp)/サンヤ・エン(hp)/ロビン・エンゲルマン(perc)/ジョン・ワイヤー(perc)/ボブ・ベッカー(perc)/ラッセル・ハーテンバーガー(perc)/ライアン・スコット(perc)/デーヴィッド・スワン(p)/ホアキン・バルデペニャス(cl)/スティーヴン・ダン(va)]

録音:2001年6〜8月 カナダ、トロント、トロント芸術センター

武満がなぜ世界中で絶賛されたのか、その理由を知るための入門盤として最適なアルバムです。とにかく美しい、そうとしか形容のしようのない音だけが、ここにあります。それは音楽史上、彼だけが楽譜に記すことができた音です。たいていの音楽愛好家が普通は嫌う、無調の音楽なのに美しいマジカルなタケミツ・サウンド。収録曲中「雨の樹」以外はフルートを中心とする室内楽で、70年代初頭の「ヴォイス(声)」から、作曲者最後の作品「エア」までを収録。そのフルートを吹くエイトケンら、生前の作曲者と親交があり、直接指導を受けたカナダの奏者たちの理想的な演奏でお届けします。

総合評価

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なぜか突然聞きたくなることがある武満徹の...

投稿日:2021/02/25 (木)

なぜか突然聞きたくなることがある武満徹の音楽。 その気持ちはベートーヴェンやシューベルトに向かう気持ちとはかなり異なる気がします。 日常の嫌なことを忘れるためのオアシスのような・・・このアルバムには特にその価値観を感じます。

チバリスト さん | 千葉県 | 不明

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武満徹の美しい響きの室内楽をほぼ網羅した...

投稿日:2013/05/23 (木)

武満徹の美しい響きの室内楽をほぼ網羅したお得盤である。現代音楽を聴かない方も、この1枚はお持ちになることを勧めたい。水と風に関わるタイトルの曲が多いが、中でも「雨の樹」と「海へ」は深い自然の中に引き込まれていくような独特の感覚を味わわせてくれる。演奏、録音ともに申し分ない。

ニャンコ先生 さん | Tochigi | 不明

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まさかこんな所でブライアン・イーノのアン...

投稿日:2008/05/11 (日)

まさかこんな所でブライアン・イーノのアンビエント(環境音楽)への言及が読めるとは思ってませんでした。あのシリーズは、私にとってもバイブルです。武満は直接的にはドビュッシー・メシアンの作曲技法の影響下にあるのでしょうが、その音楽の目指すところはイーノの音楽に接近しているとも思います。「西洋と東洋の融合」というキー・ワードでこれらの音楽家たちは語れるかも知れません。

AUSNAHME さん | 宝塚市 | 不明

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