失われた近代を求めて 2 「自然主義」と呼ばれたもの達

橋本治

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784022510549
ISBN 10 : 4022510544
フォーマット
出版社
発行年月
2013年03月
日本
追加情報
:
245p;20

内容詳細

「自然主義」と呼ばれたもの達は「言えない」を主題とする小説として生まれ、いつしか赤裸裸な「自分のこと」を告白する私小説へと変貌する。「新しい小説」と格闘する文豪達の姿を活写しつつ、「自然主義」との関わりから日本近代文学の核心に迫る。

目次 : 第1章 「自然主義」とはなんなのか?(森鴎外と自然主義/ 自然主義の悪口はうまく言えない ほか)/ 第2章 理屈はともかくとして、作家達は苦闘しなければならない(通過儀礼としての自然主義/ 理念もいいが、文体も― ほか)/ 第3章 「秘密」を抱える男達(田山花袋の恋愛小説/ かなわぬ恋に泣く男 ほか)/ 第4章 国木田独歩と「自然主義」(最も読まれない文豪/ 国木田独歩と自然主義 ほか)/ 第5章 とめどなく「我が身」を語る島崎藤村(『春』―「岸本捨吉」の登場/ 「始まり」がない ほか)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 小鈴 さん

    教科書程度にしか文学史を知らぬ私にとって橋本治のこの文学史の捉え方がどの程度の目新しさがあるのかはわかりませんが読んでいて面白い。完成された文語体に対して西洋の小説なるものが輸入され言文一致体が開発(二葉亭四迷)され、明治40年頃に人知れず完成される。人知れずというのは、完成された言文一致体で書かれた小説を評論家などは「自然主義」小説と読んだため。それを自然主義と呼ぶから何がなんだかわからなくなるのであって、口語体小説が熟したと考えた方がわかりやすくない?と橋本らしくうねうねと説明している。

  • maimai さん

    シリーズ2冊目は、田山花袋、国木田独歩、島崎藤村にスポットを当てて、「自然主義」とは何だったのかを探る。この辺りは、橋本治がこれよりも以前からあちこちで言及し、リアルタイムでそれらを読んでいた僕などは、そのたびに目から鱗をポロポロと落としていたあれやこれやの、集大成ともいうべきか。かつて存在したが今は見る影もないもの、あるいはまわりの環境が変わってしまって、当時の姿が想像できなくなってきているもの、―そうしたものの実相に深く分け入っていく橋本治の、その「分け入り方」は、いまさらながら、本当に鋭いと思う。

  • shouyi. さん

    日本の文学史で近代文学の代名詞と言っても良い「自然主義」、そしてその代表的な作家たち。全て分かっていると思っていたのは、間違いだった。橋本治という人はそれを鮮やかに語ったくれたのだ。全3巻、あと1冊。読み終わるのがもったいない。

  • ひろゆき さん

    文学史上、自然主義と呼ばれた田山花袋、島崎藤村、国木田独歩らの作品を分析し、その一様ではない実態を明らかにしたもの。鴎外の『ヰタ・セクスアリス』、独歩の『武蔵野』など私にとっては意味不明の作品だったが、この本で、なるほどと初めてその価値が理解できた。目から鱗、興奮。語り口もユーモラスで、文学史の本だが、ところどころで、ニヤニヤさせられる。

  • takao さん

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人物・団体紹介

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橋本治

1948年東京生まれ。東京大学文学部卒。77年「桃尻娘」で小説現代新人賞佳作を受賞しデビュー。以後、小説・評論・古典の現代語訳・イラストなど幅広い分野で活躍。96年『宗教なんかこわくない!』で新潮学芸賞、2002年『「三島由紀夫」とはなにものだったのか』で小林秀雄賞、18年『草薙の剣』で野間文芸賞を

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