★指揮者がタクトを振り上げた瞬間(生)から終わり(死)へと突き進んでいく。音楽とは、終わりを望みながら音という生に踏みとどまる、矛盾そのものである。それを音楽家はどうとらえてどのように描いてきたのか。生と死をめぐる特集ほか、刺激的エッセイ多数。
★目次
特集 クラシックと死
死を予感する演奏、予期せぬ死に遭遇した演奏――「名盤・奇盤の博物学」番外篇として 竹内貴久雄
「死の練習」としてのクラシック 梅田浩一
『亡き子を偲ぶ歌』 須永恆雄
歌劇『津山三十人殺し』上演史 鈴木淳史
白バラ団奇譚 許 光俊
鼎談 撃論 語って砕けろ!――レーベルのお仕事 鈴木淳史/斎藤啓介/許 光俊
最近のクラシック万華鏡
円熟しない指揮者たち 平林直哉
最近聴いた演奏会からいくつかの感想 鈴木淳史
くらせらへようこそ!第4回 まつもとだいすけ
連載
ヒストリカル獣道(4) フルトヴェングラー、奇々怪々の『第九』 平林直哉
未来のクラシック(4) 未来のコンサートホール 許 光俊
妄想帝国大劇場(3) オペラ・バレエ『清水かつらの第一の冒険』 片山杜秀
車輪の上(4) 自転車はヴィオラである 鈴木淳史
究極邪悪、クラシックでポン!(4) ロンドンで気分はロンロン!の巻 許 光俊
反時代的クラシックのススメ(4) ヴィスコンティの『神々の黄昏』3――「愛の断念」の意味するもの 梅田浩一
お杉のどくだみの詩(4) 花散る乙女たち、嗚呼、女体は哀し 杉本のりひこ
乙女ライターMのひみつ日記(4) その執事、傾聴 高野麻衣
いまさら維納?(4) 名歌手追悼その2――ピエロ・カップッチッリに捧ぐ1 大前田 青
チェロ曲CD列伝(4) D〜E 近藤健児
異稿・編曲CD(4) サン=サーンスとフォーレ 近藤健児
むしもすきずき楽興のとき(4) 死者の書――レーガーの『目覚めよと呼ばわる声す』幻想曲 須永恆雄
イカすぜ! クラシックなやつら―クラシック同志の生態に迫る 大番外篇 聞き手:許 光俊
新宿の仙人 大里俊晴さん
下層民が聴くクラシック 丸茂潤吉
目次 : [特集]クラシックと死
【著者紹介】
許光俊 : 1965年、東京都生まれ。音楽評論家、慶應義塾大学教授。著書多数
鈴木淳史 : 1970年、山形県生まれ。売文業(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)
(「BOOK」データベースより)