山椒大夫・高瀬舟・阿部一族 角川文庫

森鴎外

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784041002872
ISBN 10 : 4041002877
フォーマット
出版社
発行年月
2012年06月
日本
追加情報
:
304p;15

内容詳細

人買いによって母と引き離されてしまった安寿と厨子王の姉弟。由良の山椒大夫に売られた二人は奴隷として辛い日々を送っていたが、姉は弟を逃がして自らは死を選ぶ。姉の犠牲によって脱出した弟は、父母を捜すべく都に向かい、出世をしていき…。犠牲の意味を問う「山椒大夫」、安楽死の問題を扱った「高瀬舟」、殉死制度のもたらした悲劇を描く「阿部一族」などを収録。鴎外の晩年の名作をおさめた短篇集。

【著者紹介】
森鴎外 : 1862年、島根生まれ。本名、森林太郎。81年に東大医学部を卒業、陸軍軍医となる。4年間のドイツ留学を経て、軍医としての職務のかたわらで「舞姫」「うたかたの記」などを執筆。「即興詩人」や「ファウスト」の翻訳、「阿部一族」「山椒大夫」などの歴史小説等、幾多の名作を世に残した。1922年、文京区本郷の自宅で萎縮腎と結核のため永眠(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • NAO さん

    『阿部一族』封建社会の倫理体制の中で、外からかかってくる強い拘束やその時代の人々が習慣的に持っていた自己抑制が効かず、つい頭をもたげてきてしまう自我を抑えきれない。それが主君の怒りを買うのだとわかっているのか、わかっていても止められないのか、そうやって滅亡へとつきすすんでしまう阿部一族の悲劇。『最後の一句』の父の助命を求めるいちの自己主張。どちらの作品からも、江戸時代はまだまだ一部の人間以外は自己主張などできるような状況にはなかったということが強く感じられる。安楽死問題を扱った『高瀬舟』。『山椒大夫』。

  • カブトムシ さん

    「阿部一族」は肥後藩主細川忠利の死に際して、殉死を許されなかった阿部弥一衛門が家中のうるさい取沙汰に耐え切れず、追い腹を切る。ところが遺族は殉死者の遺族としての処遇を受けられず、かえって侮蔑が強まる。嫡子権兵衛の先君の一周忌の行動も非礼をとがめられ、縛り首にされる。次男、三男ら一族は屋敷に立てこもり、藩の討っ手と戦って全員壮烈な最期をとげる。権威と秩序への反抗や人間心理をテーマとする鴎外歴史小説の代表作。高校時代に活字を読んだが、今は、いろんな人の朗読テープを聴いている。鴎外の短編は優れたものが多くある。

  • megu さん

    鴎外晩年の短編集。鴎外は医師だったこともあってか、死をテーマとした作品が多く、この時代に倫理観に訴えるような作品を多く残していることにまず驚いた。特に好きだなと思ったのは、“山椒大夫”、“最後の一句”、“魚玄機”。“最後の一句”では、父が死刑に処される代わりに、わたくし共子供を殺してくださいと願い出る、まだ十六歳の娘、いちの姿に心打たれる。また“魚玄機”では、独特の雰囲気と、漢詩がとても美しい。心に響き、考えさせられる作品ばかりだった。“舞姫”など、鴎外の他の作品も読んでみたい。

  • Y さん

    人間への驚きがつまっていた。人間はときに自分の決めた道をゆくためには他人からすれば予想を大きく超えた行動をとったり、思いもよらないものに誇りをかけていたりしておもしろい。「じいさんばあさん」は冒頭から予想外の展開にいつまでもしみじみと心に残った。仕えていた主君のために殉死した武士に負けないぐらい、おばあさんの気持ちの強さとやり遂げる一途さに感動した。「高瀬舟」は境遇から満たされるはずの無い人が穏やかに気持ちが満たされていて、どうやっても満たされることのない自分の欲深さを改めて省みてしまう作品だった。

  • 里愛乍 さん

    『山椒大夫』タイトルを見て初読時は、これが昔読んだことのある『安寿と厨子王』の話だとは知らなかった。『高瀬舟』といい『阿部一族』といい、知らず知らず鴎外の小説は、これまで何処ぞでなんとなく目にしていたのだなぁと改めて思わされた。巻末にあるおふたりによる解説がまた面白い。鴎外、とりわけ歴史小説を読むにあたり、非常にわかりやすく解説されていると思う。読中ちょっと意外というか、微笑ましい箇所がひとつ。鴎外さん、自分のこと子供に「パパ」と呼ばせてたのね。

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森鴎外

本名森林太郎。1862(文久2年)に、石見国鹿足郡津和野で生まれる。本来は津和野藩亀井家の14代典医となるはずだが、時代が明治となって、典医だった森家は没落。大学卒業後、陸軍軍医となって、陸軍省派遣留学生として4年間ドイツに留学。帰国後は小説家・評論家・翻訳家として文学活動を盛んに行なう。また陸軍で

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