殺人出産

村田沙耶香

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062190466
ISBN 10 : 406219046X
フォーマット
出版社
発行年月
2014年07月
日本
追加情報
:
188p;20

内容詳細

10人産めば、1人殺してもいい──。「殺人出産制度」が認められた世界。殺人は、本当に悪なのか? 普遍のテーマに挑む衝撃作!


「産み人」となり、10人産めば、1人殺してもいい──。そんな「殺人出産制度」が認められた世界では、「産み人」は命を作る尊い存在として崇められていた。育子の職場でも、またひとり「産み人」となり、人々の賞賛を浴びていた。素晴らしい行為をたたえながらも、どこか複雑な思いを抱く育子。それは、彼女が抱える、人には言えないある秘密のせいなのかもしれない……。


村田 沙耶香 ( ムラタ サヤカ )
1979年、千葉県出身。玉川大学文学部卒。2003年、「授乳」で第46回群像新人文学賞優秀作、09年、『ギンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞、13年、『しろいろの街の、その骨の体温』で第26回三島由紀夫賞受賞。ほかの作品に『マウス』『星が吸う水』『ハコブネ』『タダイマトビラ』がある。




【著者紹介】
村田沙耶香 : 1979年、千葉県出身。玉川大学文学部卒。2003年、「授乳」で第46回群像新人文学賞優秀作、09年、『ギンイロノウタ』で第31回野間文芸新人賞、13年、『しろいろの街の、その骨の体温の』で第26回三島由紀夫賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • zero1 さん

    正義とは何か?10人産めばひとり殺せるという、芥川賞受賞作「コンビニ人間」よりブッ飛びな設定にまず驚く。村田の思考回路を開頭して見てみたい。主人公、育子の姉は病んでいるのか?それとも早紀子の方が間違っている?少子化が進む今、こうした社会が来ないと誰が保証できる?殺人願望など描きかたが乱暴で散漫だが、作者の挑戦は買いたい。少子化の前に高齢者の殺処分ということが先に行われるだろうけど、それは別の作家がすでに描いている。昆虫を食べるというのは「百年法」でも使われた。将来、世界はどう変わるのだろう?

  • 抹茶モナカ さん

    中篇『殺人出産』と短編3作。既存の価値観に揺さぶりをかける小説集。現在とは違う歪んだ世界観を描く。青年漫画、例えば、『イキガミ』といった社会問題に立脚した歪んだ世界観の作品と似ていて、漫画っぽい感じもする。ただ、不思議な美しさが過って、そこが狂った世界観なのに、ちょっと漫画とは違う形になっている。少子化とか、問題意識からの不思議な本。

  • 優愛 さん

    10人産めば1人殺しても良いという殺人出産制度の導入後、産み人もその人達に選ばれし死に人も崇められる世界。誰かにとっては優しく、また誰かにとっては狂気の世界。殺人なんて――そんな正常な感覚がいざ白衣を身にまとい全身麻酔をかけられたあまりに無防備すぎる死に人を前にすると狂いだすその瞬間に恐怖を超える言葉が今の私達には必要なはず。あぁ、私は正しい世界に生きていた、なんて。あなたにだけは思わないでいてほしかったのに。産み人になんてこんな理由ではならないでほしかったのに。死刑=産刑をあなたは今認めてしまったんだ。

  • おしゃべりメガネ さん

    いや、ホントに勿体ない作品群でした。表題作ほか3編からなる短編集ですが、表題作は扱っているテーマが非常に斬新なので、できれば長篇としてしっかり書きあげ、世の中に送り出してほしかったです。もっともっと話を広げて、深いところまで追求し、展開も淡白にならずに書いてくれれば、何十倍も楽しめた作品なような気がします。それそれの章で扱っている「生と性」があらゆるシチュエーションで異なり、文章はサラッとしつつも、読んでいるとなかなかヘヴィな内容でした。全ての話が決して他人事には感じられす、妙にリアリティを感じました。

  • はっせー さん

    本当に考えさせられる本だった! 村田沙耶香さんの本は前に1度『コンビニ人間』を読んでいる。私は村田沙耶香さんの書く文章が自分に合っている。そのためスラスラ読むことができた。それとは対照的に内容はかなり重いものであった。10人産むと1人殺人をすることが出来る世の中。かなり波紋になる内容である。だが、すごく極端な例を出すことによって議論がある。1人殺人した人間が普段の暮らしを過ごせるかどうかに問題であると感じたのである。また村田沙耶香さんの本を読みたいと感じた!

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