客観性の落とし穴 ちくまプリマー新書

村上靖彦

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480684523
ISBN 10 : 4480684522
フォーマット
出版社
発行年月
2023年06月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
192p;18

内容詳細

「その意見って、客観的な妥当性がありますか?」この感覚が普通になったのは、社会の動きや人の気持ちを測定できるように数値化していったせいではないか。それによって失われたものを救い出す。

目次 : 第1章 客観性が真理となった時代/ 第2章 社会と心の客観化/ 第3章 数字が支配する世界/ 第4章 社会の役に立つことを強制される/ 第5章 経験を言葉にする/ 第6章 偶然とリズム―経験の時間について/ 第7章 生き生きとした経験をつかまえる哲学/ 第8章 競争から脱却したときに見えてくる風景

【著者紹介】
村上靖彦 : 1970年、東京都生まれ。基礎精神病理学・精神分析学博士(パリ第七大学)。現在、大阪大学大学院人間科学研究科教授・感染症総合教育研究拠点CiDER兼任教員。専門は現象学的な質的研究(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • へくとぱすかる さん

    客観性を求めることは確実性を求めることでもある。とすれば、この点へのこだわりは、不安の裏返しではないだろうか。しかしそこにマジョリティの視点への偏向、マイノリティの排除に結びつく危険が潜んでいるとは、なかなか気がつかない。社会においては、統計こそ客観的という考え方も、個別の事例を見えなくする。苦悩や貧困のつらさなどを、数値化しようということ自体に問題があることは誰でもわかる。ではどんな方法がありうるか、実社会を考えるには、どんな思考が必要かを紹介。自然科学への批判ではなく、新しい方法へのアプローチである。

  • けんとまん1007 さん

    確かに、「客観的に・・」というフレーズに触れることも多い(表現はいろいろあるが)。改めて、それを考えるきっかけになった。一見、正しいようであって、果たしてそうなのかと考える。100%そうなのか、概ねそうなのか、半分くらいなのかなど、実は、曖昧なままということを考える。それを補うエビデンスも同じことが言えるかもしれない。その陰に隠れてしまう、隠されてしまうことへの視線が大事。個が消されてしまうこと、それを押し隠してしまうことの危うさもある。やはり、一つ一つの物語へのこだわりを捨てないこと。

  • どんぐり さん

    エビデンスや数値化された客観性を追求すると、「私はこう感じる」「私はこうした」という経験がもつ価値が切り崩されていく。そのことを問題視しながら、いかに人間の体験を尊重し、相手の話を丁寧に聴き取るか、現象学の立場から論じた本。前半部が客観性と数値化がもたらす弊害。後半部がケアの場を題材にして患者が経験を伝える語りに着目した現象学の思考法を紹介している。YAの読者には残念だが、これは臨床哲学に類する本だ。ちょっと小難しい。

  • ムーミン さん

    現在手がけている様々な施策を考え、進めていく上で、欠かしてはならない個別のエピソードに意識を傾けることを確認できました。

  • Kano Ts さん

    これはタイトルと帯が悪い。本屋で手にとって興味を持った人は裏切られた気分になるのではないか。内容は個人の経験の大切さを哲学的な哲学から教えてくれ、それはそれで悪い文章ではないと思う。ただこの本を読んだからといって、帯にあるような「それって客観的なデータはあるんですか?」と聞かれたときに相手と建設的な関係を築くのには役に立たない。僕は「違うじゃん」と思ったが最後、同じことを違う視点で書いているようにしか見えず、ダメだった。

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