きのうの世界 上 講談社文庫

恩田陸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784062770378
ISBN 10 : 4062770377
フォーマット
出版社
発行年月
2011年08月
日本
追加情報
:
15cm,302p

商品説明

他殺か事故か。
町の外れの「水無月橋(みなづきばし)」で死んでいたのは、一年前に失踪したはずの男。
ようこそ、ここは、塔と水路の町。


上司の送別会から忽然と姿を消した一人の男。一年後の寒い朝、彼は遠く離れた町で死体となって発見された。そこは塔と水路のある、小さな町。失踪後にここへやってきた彼は、町の外れの「水無月橋」で死んでいた。この町の人間に犯人はいるのか。不安が町に広がっていく。恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成。

飼い犬の「トラ」とともに暮らす、76歳の一卵性双生児、華代と虹枝。彼女たちはいつも同じ時間に散歩をする。水無月橋で一人の男が死んだあの日も。そして、二人は思い出す。バス停に捨てられた赤い印のついた地図のことを。

「ねえ、雨はどうやって数えるの? ほら、『ひと雨来た』っていうじゃない?」
「あのねえ、雨を数えてはいけないよ。雨を数えると鬼が来るよ――」

内容詳細

上司の送別会から忽然と姿を消した一人の男。一年後の寒い朝、彼は遠く離れた町で死体となって発見された。そこは塔と水路のある、小さな町。失踪後にここへやってきた彼は、町の外れの「水無月橋」で死んでいた。この町の人間に犯人はいるのか。不安が町に広がっていく。恩田陸がすべてを詰め込んだ集大成。

【著者紹介】
恩田陸 : 1964年宮城県生まれ。第3回日本ファンタジーノベル大賞最終候補作となった『六番目の小夜子』で’92年にデビュー。2005年『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞と第2回本屋大賞、’06年『ユージニア』で日本推理作家協会長篇および連作短篇集賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • パトラッシュ さん

    現実の隣に存在するSF(すこしふしぎ)な異世界を描くとき、恩田ワールドは本領を発揮する。「塔と水路の町」と称される地方都市が紹介される冒頭から不穏な空気が漂い、やがて東京で1年前に失踪した男が他殺体で発見されると、町を包んでいた薄皮に破れ目が走るのだ。それまで異常とは思われなかった瑣末な事実が突如違う意味を持ち、よそ者の来訪が平穏さを脅かす。なぜか住民は町の象徴たる塔に関心を払わず、不可解な現象が相次ぎ起こるのが明らかになる。気になって心がざわつく読者は、すでに作者の術中にはまっていると悟るのだ。(続く)

  • kishikan さん

    これまで、恩田さんの本は8冊ほど読んできましたが、これまでとはやや趣が異なっているかな。ミステリなんだけど、登場人物、小説の舞台となる町、事件、どれも掴まえ所がないのです。謎が謎を呼び、どこまでも答えが見つからず、靄がかかったような気持ちで上巻を読み終えました。もっと不思議なのは、いつまでも輪郭がはっきりしない物語でありながら、もっと足を踏み入れてしまいたくなる誘惑を感じてしまうことなのです。これは魔力か!これ以上のコメントは、下巻を読んでから。

  • 優希 さん

    何も見えなかったというのが正直なところです。疑問が多く感じてしまうのは、様々な事柄が重なっているからでしょう。張り巡らされた伏線が下巻で綺麗に回収されるといいと思います。

  • りょうこ さん

    面白い‼上巻だけでこれだけの謎!まだ何も解決していないので、下巻が楽しみです(^-^)さっそく下巻に突入です(^-^)/

  • *мiкi* さん

    久しぶりの恩田さんの本。「あなたは」で語られる世界に戸惑いながら迷いつつ、迷いきれていない上巻。直ぐに下巻へ直行。 雨の雰囲気とかね。こう面白い本って他に出逢えるのかなって不安になる

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人物・団体紹介

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恩田陸

1964年、宮城県出身。小説家。92年『六番目の小夜子』でデビュー。2005年『夜のピクニック』で第二六回吉川英治文学新人賞および第二回本屋大賞、06年『ユージニア』で第五九回日本推理作家協会賞、07年『中庭の出来事』で第二〇回山本周五郎賞、17年『蜜蜂と遠雷』で第一五六回直木三十五賞、第一四回本屋

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