証言・フルトヴェングラーかカラヤンか 新潮選書

川口マーン恵美

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784106036200
ISBN 10 : 4106036207
フォーマット
出版社
発行年月
2008年10月
日本
追加情報
:
20cm,286p

商品説明

証言・フルトヴェングラーかカラヤンか
川口マーン惠美/著

ベルリン・フィル全盛時代の猛者たちが初めて語る、二大巨匠、真実の姿!
ベルリン・フィル全盛時代の猛者たちが、初めて答えてくれた本格的インタビュー集。プロ中のプロが語る芸談義の真髄、共同作業した音楽家でなければ分からないマエストロの秘密。臨場感溢れる語り口は、音楽ファンならずとも惹き込まれること請け合い。二十世紀最大の巨匠は、果たしてどちらなのか!?

シリーズ : 新潮選書
判型 : 四六判変型
頁数 : 286ページ

川口マーン惠美
カワグチ・マーン・エミ
大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。ドイツ・シュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科卒業。シュトゥットガルト在住。著書に『フセイン独裁下のイラクで暮らして』(草思社)、『母親に向かない人の子育て術』(文春新書)などがある。

内容詳細

ベルリン・フィル全盛時代の楽員たちが、初めて語ってくれた本格インタビュー集。ドイツ精神主義の化身・フルトヴェングラーと、飽くなき音響美の追求者・カラヤン。共同作業した音楽家でなければ分からない二大マエストロの秘密を、臨場感溢れる語り口で解き明かす。

目次 : テーリヒェン氏との対話/ バスティアーン氏との対話/ ハルトマン氏との対話/ ピースク氏との対話/ テーリヒェン氏との対話 その二/ ハルトマン氏との対話 その二/ ゲアハルト氏との対話/ ライスター氏との対話/ ヴァッツェル氏との対話/ ヴァインスハイマー氏との対話/ ツェッペリッツ氏との対話/ ハルトマン氏との対話 どの三/ フィンケ氏との対話/ フォーグラー氏との対話

【著者紹介】
川口マーン恵美 : 大阪生まれ。日本大学芸術学部卒業。ドイツ・シュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科卒業。シュトゥットガルト在住(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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フルトヴェングラーとカラヤンのどちらが最...

投稿日:2021/04/25 (日)

フルトヴェングラーとカラヤンのどちらが最大の巨匠かと比較をするのはなぜだろう。楽団員の証言は興味深いが演奏以外の話題で語るのに意味があるのか。残された演奏記録で語り尽くされていると思う。テーマはともかく、二人についての記録としては面白い読み物であることは間違いない。

浜っ子 さん | 愛媛県 | 不明

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タイトルが、故ヴェルナー・テーリヒェン著...

投稿日:2011/11/19 (土)

タイトルが、故ヴェルナー・テーリヒェン著『フルトヴェングラーかカラヤンか』(音楽之友社)を念頭に置いているのは明らかだが、インタビュアーである著者の答えは予め出ていて、テーリヒェンを始めとするベルリン・フィル元団員たちの証言を楯にしてずらりと並べ、その陰から矛を繰り出そうという意図だったのだろう。しかし、元団員たちもただ者ではない。多くは「その手には乗らない」応答に終始したように読める。色々興味深い証言はあるのだが・・・・。それにしても、世の中、本書に限らず、「白か黒か」、「正義か悪か」式の割り切り方に無理矢理持って行こうという傾向が強くて辟易する。テーリヒェンはすっかりアンチ・カラヤン派のヒーローにされてしまった。しかし、先年、NHKが、保有する往年の名演奏家たちによるライヴ映像を最新技術で蘇らせたが、ある番組の中に、1957年のベルリン・フィル初来日公演の模様を元団員たちが視聴するシーンがあった。その中で、かつての自分たちの演奏を、指揮(勿論カラヤン!)も含めて一番熱っぽく賞賛し懐かしがっていたのがテーリヒェンその人であった。上記著書を読んでいただけに少々驚いたが、一方で成る程と納得もできるのである。長く続いた人間関係には、単純に仲が良かった悪かったでは済まされない、愛憎が複雑に絡み合った事情があるもの。うまくいっている時は「あばたもえくぼ」だったのが、一つ歯車が狂い出すとすべてがネガティブになり「えくぼがあばた」になることも珍しくない。互いに年をとり、柔軟性がなくなって頑なになり、寛容さも忍耐強さも失われてくれば尚更である。テーリヒェンの著述や発言はそのことを踏まえて受け取る必要があるのではないか。また、著者とテーリヒェンが崇敬してやまないフルトヴェングラーにしても、ベルリン・フィルとの関係は常に蜜月状態、運命共同体であったわけではなかったことは、ミーシャ・アスター著『第三帝国のオーケストラ』(早川書房)等、近年出版されたいくつかの書物につぶさに記されている。特に第二次世界大戦後は、1947年5月の有名な復帰コンサートにおける興奮と感動があったにしても、両者の関係はかなり微妙で考え方の乖離も小さくなかった様子。この点、日本のフルトヴェングラー・ファン諸氏の認識とはかなり相違しているのではないか。テーリヒェンの著述や発言が、必ずしもこうした事実関係を反映しているわけではないことも記憶しておくべきであろう。

Erdinger さん | 神奈川県 | 不明

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ベルリンフィルの元楽員や古参楽員を訪ね歩...

投稿日:2011/07/04 (月)

ベルリンフィルの元楽員や古参楽員を訪ね歩いて集めた貴重な証言集。そこに大いに価値があります。但し、この両巨匠を扱うのは難しいなと感じたのが正直な読後感。フルトヴェングラーは、その実演を聴いた人(まして日本人なら)はもう極めて稀で、また残された録音はそのほとんどが音が悪くて巨匠の音楽をどれだけきちんととらえたものか疑わしいものばかり。一方、カラヤンは日本にもしばしば来て実演を聴いた人は相当多数、まして残された膨大なディスク(良い音!)に親しんでいる人はもはや数え切れないほど。もはや完全に伝説で半ば闇の中のフルトヴェングラーと、まだその記憶が鮮烈に生きているカラヤンとでは、「比較」はできないのですね。この本、タイトルにもあるような「選択」、そして「比較」がどうしてもなされてしまうので、そこはホントは公正じゃないんですけどね。だから、フルトヴェングラーについての元楽員の賛辞は、正しく検証はできないものです。だから、証言として残しておくなら、「フルトヴェングラーはリハーサルや本番で、こういうことをした」という資料的な内容がよかったかな。どの曲のどの部分ではこういう要求をしたとか、ホールの音響をどうチェックしたかとか、曲のコンセプトについてこういう説明をしたとか、そういう類ですね。楽員による彼への評価の言葉ではなくてね。そこが惜しいかな。なお、著者のお名前、どうしても「かわ ろまーん えみ」さんに見えてしまいます。(-_-;)

ほんず内閣総理大臣 さん | 北海道 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • KAZOO さん

    著者は結構、フルトヴェングラーのほうがカラヤンよりも好きなのかもしれません。ベルリン・フィルなどの元団員などの話の聞き方を読んでもそう感じます。私は両者とも嫌いではないのですが、演奏する曲目によっては好き嫌いが出てきます。題名が少し扇情的であると感じますが、やはりベルリン・フィルを語るときにはこの二人の巨匠について避けることはできないと思います。

  • 木曽のあばら屋 さん

    ベルリン・フィルの歴史をを代表する二人の巨人について、ベルリン・フィルの元メンバーに取材したインタヴュー集。著者(聞き手)も音楽家であるためか的確で深みがあります。二人の性格の違いから、そもそも音楽とはという本質論にまで拡大、 しかし決して焦点がぼやけません。見る人が違えば、同じ人、同じ出来事も180度違って見えることもあるのだ、という事にあらためて気付かされました。そして矛盾をポンと投げ出しているようでいて、きわめて読みやすく整理されているこの著者の文章力、大尊敬モノです。

  • 植岡藍 さん

    筆者は(ややというよりもかなり)フルトヴェングラーより。両巨匠をもう少し並列に見ていたらどうなっていたかと考えずにはいられない。それでもある程度のバランスはあるので、編集、出版社の力を感じる。両巨匠と生で接した団員達の言葉が面白く、興味深い。ベルリン・フィルの元団員達にインタビューするという資料的価値はすごい。

  • 蘭奢待 さん

    わざわざ作られた二項対立。フルトヴェングラー好きは一般にカラヤン嫌いだろう。BPO主席の取り合いなどでカラヤンの狡さに悪評があるから。それに伴い、後年の大成功を妬み、また尊大な態度をとるカラヤンに空虚な演奏であるという空気が浸透したものであろう。本書はBPOでフルトヴェングラーとカラヤンの下で演奏してきた奏者へのインタビューである。意外であったのが上のような世評とは全く異なる評価をしている奏者が多いこと。

  • クルカ さん

    良書。カラヤンかフルトヴェングラーが好きなら読んで損はないです。ベルリン・フィルで二人の巨匠と生でぶつかってきた団員たちの声が詰まっています。インタヴュアーはどちらかと言えばフルトヴェングラー贔屓なのかな。私もフルトヴェングラー贔屓なので、補正はありそうですね。とりあえず、手元にあった田園は聞き比べてみました。読み終わったら聞き比べをしてみるのも面白いかもしれませんね。後、才能に惚れても人格には惚れるな、がよくあらわれていましたよ。天才は変人です。

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川口マーン恵美

日本大学芸術学部音楽学科卒業。1985年、ドイツのシュトゥットガルト国立音楽大学大学院ピアノ科卒業。ライプツィヒ在住。1990年、処女作『フセイン独裁下のイラクで暮らして』(草思社)。『ドイツの脱原発がよくわかる本』(草思社)が、2016年、第36回エネルギーフォーラム賞の普及啓発賞、2018年、『

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