さようなら、オレンジ

岩城けい

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784480804488
ISBN 10 : 448080448X
フォーマット
出版社
発行年月
2013年08月
日本
追加情報
:
166p;20

内容詳細

異郷で言葉が伝わること――
それは生きる術を獲得すること。
尊厳を取り戻すこと。


自分が生きる道をつかみたい…。故国を遠く離れ、子供を抱えて暮らす女性たちは、たがいに支え合いながら、各々の人生を切り開いていく。第29回太宰治賞受賞作。

【著者紹介】
岩城けい : 大阪生まれ。大学卒業後、単身渡豪。社内業務翻訳業経験ののち、結婚。在豪二十年。『さようなら、オレンジ』で第29回太宰治賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 遥かなる想い さん

    2014年本屋大賞第4位。 オーストラリアで生きる アフリカ難民サリマと 日本人「ハリネズミ」の 生きざまを描く。 異国の地で働く女性たちへ の応援歌とでも言うべきな のだろうか。 「言語」が持つ意味を 改めて考えさせる…妙に オレンジ色を感じる…そんな展開だった。

  • 風眠 さん

    私が私であるために、譲れないもの、揺るがないものがどうしてもあるように、困難な状況だからこそ、磨かれていくものがある事を信じようと思えた。アフリカ難民のサリマと、夫の仕事のため移住したハリネズミ。英語を話せないことに厳しいオーストラリアを舞台に、非母国語を必死に習得しようとし、「壊れた英語」と言われながらも、理不尽で過酷な現実に立ち向かっていく二人の凛とした姿が美しい。たどたどしいからこそ胸を打つサリマの作文には、素朴だけれど心に訴えかける強さと引力がある。オレンジ色が、夢見るように美しく心に広がる物語。

  • 修一朗 さん

    さようなら,オレンジという題名は希望に満ちた言葉でした。力強く生きて行くんだというメッセージがまっすぐ伝わる,とてもいい本でした。難民問題や言葉習得の難しさ,なんて論じようとしたら,わけ知り顔の評論になっちゃう。でも,ここでは物語として,クラスメートの奮闘ぶりを淡々と描き表現しています。文章は飾り気なし,むしろ生硬,なのに成長するサリマの情熱,応援する人達の暖かさはしっかり伝わってます。まだ差別の残る異国で居場所を獲得していく力強さを感じることができました。手紙を挿入する形式の是非についてはここではパス。

  • なゆ さん

    オレンジに輝くおひさま。明日も生きて、おひさまに会えることだけを願ってきたサリマ。難民として異国の地にたどりつき、偏見や言葉の壁と格闘し、子供を育てひたすらに生きる姿に圧倒される。ひとり涙を流しながらも前を向き続ける、その力強さに。サリマの作文のように、飾り気ないしゴツゴツしてるのに心に響くのだ。英語を学ぶ教室で一緒の、アジア人のハリネズミ≠竅Aイタリア人のオリーブ£Bとの、印象や関わりの変化。言葉、母語というもの。サリマの話に並行してもうひとつ手紙形式で綴られる話も、最後におおっと思わされる。

  • かおり さん

    読んでからしばらく経ったけど、ぼんやりとしか覚えてない。印象が薄いわけではないけど、不思議な感覚だった。自分らしく自信もって生きればいいのに。それが難しかったりもするんだけど。。

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人物・団体紹介

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岩城けい

1971年大阪府生まれ。大学卒業後、単身渡豪。以来、在豪30年になる。2013年に『さようなら、オレンジ』で太宰治賞を受賞しデビュー。14年に同作で大江健三郎賞、17年に『Masato』で坪田譲治文学賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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