将軍の世紀 上巻 パクス・トクガワナを築いた家康の戦略から遊王・家斉の爛熟まで

山内昌之

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784163916910
ISBN 10 : 4163916911
フォーマット
出版社
発行年月
2023年04月
日本
追加情報
:
736p;20

内容詳細

家康の本質は、世界的に稀有な軍人政治家だったところにある。関ヶ原の戦いにおける冷酷な政治リアリズムによって形作られた「天下取りの大局観」は、天皇家を法度の内側へと追い込み、豊臣家を滅ぼすことで徳川の世を現出した。その強靱なシステムは、四代家綱時代の文治政治への転換、八代吉宗時代の享保の改革などを経て、十一代家斉の化政時代を生み出すまで続く。しかし、半世紀に及ぶ家斉の時代こそが、徳川の世の終わりの始まりだった。

目次 : 序章 関ヶ原(一つの国家/ 不思議な戦争 関ヶ原合戦/ 勝敗は兵家の常か)/ 第1章 家康・秀忠(将軍宣下/ 公儀と大御所/ 「三つの外国」と国境線/ 豊臣の天皇/ 女官密通一件/ 父と子/ 譲位暗闘/ 豊臣滅亡/ 三つの法度/ 二代目の孤独/ 徳川の出頭人)/ 第2章 家光(悪意と悲しみ/ 「庄屋仕立て」から公儀官僚制へ/ 島原の乱/ 鎖国と一国平和主義)/ 第3章 家綱(武装せる失業者と飢饉/ 下馬将軍の「曲がった道」)/ 第4章 綱吉(御成と檜重―消尽する将軍/ 制約されない権力者/ 綱吉と忠臣蔵―歴史の不条理)/ 第5章 家宣・家継(新井白石の夢)/ 第6章 吉宗(「天下一」の将軍/ 中興この時なり/ 享保改革と天一坊と庶民)/ 第7章 家重・家治(「御不足の御方」と宝暦事件/ 田沼意次の「めでたい御代」)/ 第8章 家斉(松平定信は「運のよい人」か/ 北方問題の開幕/ 寛政改革の行き話まり/ 「みよさし」と王政復古の間/ 「本当の幕末」徳川政権の終わりの始まり/ 通信と通商の国/ 江戸の北方領土問題―平時の武士と丈化露寇/ フェートン号事件と「法外の横文字」―長崎警備体制の限界/ 大塩平八郎の乱)

【著者紹介】
山内昌之 : 1947年生まれ。歴史学者。東京大学名誉教授。武蔵野大学国際総合研究所客員教授。モロッコ王国ムハンマド五世大学特別客員教授。富士通フューチャースタディーズ・センター特別顧問。兆顧問。アサガミ顧問。2023年より横綱審議委員会委員長(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • まーくん さん

    題名からは大佛次郎の『天皇の世紀』が思い浮かぶが同様の尋常ならぬ大著。そして著者が中東・イスラームの山内先生というのも驚いた。徳川家による約260年に及ぶ治世「パクス・トクガワナ」について、いろいろなエピソードを綴っていくが単なる通史とは異なり、各出来事の背景につても詳しく、それらを通して政策の戦略的意義を解明していく。関ヶ原の戦いの勝利を足掛かりに家康は豊臣家を滅ぼし、朝廷を法度の中に追い込み、外様大名を抑え込む統治機構を作り上げていく。二代秀忠、三代家光、…と治世を辿って行くと大きな歴史の流れが⇒

  • KAZOO さん

    山内先生による徳川時代を総合的に俯瞰した大著です。大佛次郎の「天皇の世紀」に触発されて書かれたようですが、もとの原稿は文藝春秋誌に連載されていました。私は通読してはいませんでした。しかしながら実際にこのような本になって読んでみるといかに山内先生が事細かな資料を渉猟されていることがよくわかります。この上巻では関ヶ原の戦いから徳川家第十一代の家斉までのさまざまな状況が描かれていて非常に楽しめました。江戸時代を描いた本としては今後の里程標となるのでしょう。

  • スプリント さん

    ボリューム満点。 史実を網羅的に紹介するのではなくテーマを絞って掘り下げているので情報密度が濃い。

  • TK39 さん

    徳川幕府の260年余りの出来事を将軍の治世ごとにエッセイ風にまとめている。上巻は家康から家斉まで。幕府の統治の変遷、江戸幕府創設期の後陽成天皇と幕府の確執、将軍になり損ねた?松平定信の政治等々も興味深かった。著者曰く、江戸幕府の瓦解のきっかけを作ったのは家斉の政治であり、その腐敗ぶりも詳細に記述されている。歴史の教科書には記載はあるが、中身をよく知らなかった事件・出来事を知ることができ、勉強になりました。下巻はいよいよ幕末へ。

  • kiltcool さん

    中東史の碩学による江戸幕府論。 雑誌連載をもとにしており、通史というよりは個々のテーマを掘り下げた歴史エッセーの趣き。 様々な一次資料を駆使しながら江戸時代の政治、社会、思想の実相を浮かび上がらせる。 西洋やアラブの思想など引用しながら自然と世界史の枠組みに位置づけるあたりは著者の博覧強記ぶりと相まって他には見られない独自の世界観に浸ることができる。 たまに紹介される狂歌のセンスも良い。

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人物・団体紹介

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山内昌之

1947年、札幌市生まれ。北海道大学大学院博士課程を中退、東京大学で学術博士を取得。現在、東京大学名誉教授、ムハンマド五世大学特別客員教授、武蔵野大学客員教授。また、富士通フューチャースタディーズ・センター(FSC)特別顧問、アサガミ顧問、KIZASHI顧問、横綱審議委員会委員長なども務める。専攻は

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