三島由紀夫 ふたつの謎 集英社新書

大澤真幸

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784087210552
ISBN 10 : 4087210553
フォーマット
出版社
発行年月
2018年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
320p;18

内容詳細

近代日本が生み出した最高の知性が、なぜこれ以上ないほど「愚か」な最期を選んだのか?
そして、「究極の小説」を目指して執筆した最後の長編『豊饒の海』のラストは、なぜ支離滅裂ともいうべきものになったのか? 
1970年11月25日、三島は市ヶ谷駐屯地に向かう前に、編集者へ『豊饒の海』の最後の原稿を渡すよう準備を整えている。つまりこのふたつの謎には何らかの繋がりがあると考えるべきなのだ。
だが、これまで誰もそれを「合理的」に説明できていない。あの日、作家の内部でいったい何が起きていたのか?日本を代表する社会学者が、三島の全作品を徹底的に読み解き、文学史上最大の謎に挑む!

【目次】
第一章 1970/11/25に結びついた二つの謎
なぜあのような愚行を/「えろう面白いお話やすけど……」/結末はいつ決められたのか/接吻の失敗/成功

第二章 仮面の無意識
サド侯爵夫人は良人と別れた/仮面の告白/「終わり」から遡及的に読むと/空っぽの椅子

第三章 時代錯誤の決起
どちらがどちらを殺したのか/二つの時代錯誤/昭和と一緒に生まれた世代/英霊たち

第四章 鉄の肉体
宇宙人たち/鉄の肉体/「潮騒」と「密室」/悠一は俊輔の求愛を受け入れられるか

第五章 「吃り」の告白
『私が見出した世界』という本/「私は、……貞三は……」/『仮面の告白』から『金閣寺』へ/「吃り」の告白

第六章 猫を斬ってもなお残るもの
「行為」の一歩手前で/女としての金閣/南泉斬猫と童貞脱却/「認識」

第七章 美の現れ
プラトニズムの内/外/ジュディはマデリンである/現象とイデア/放火のメカニズム

第八章 ニヒリズム研究
火と海/『鏡子の家』の四人の男/ニヒリズム研究/消える樹海

第九章 白鳥に化す天皇
書くことの効用/そのとき親友は……/絹と曳航/文化概念としての天皇/あいまいな顔

第十章 不毛の海
切腹の必要性/もうひとつの謎/海の不毛と豊饒/唯識論/輪廻転生

終 章 真の〈豊饒の海〉へ
お前らはそれでも武士か!/覗き屋/「二」の不可能性/何もない/真の〈豊饒の海〉

【著者プロフィール】
大澤 真幸(オオサワ マサチ)
1958年、長野県松本市生まれ。社会学者。
1989年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。千葉大学文学部助教授、京都大学人間・環境学研究科教授等を歴任。
2007年『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞、2012年『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎と共著)で新書大賞、2015年『自由という牢獄』で河合隼雄学芸賞を受賞。
個人思想誌『Thinking「O」』を主宰。『不可能性の時代』、『〈世界史〉の哲学』シリーズなど著書多数

【著者紹介】
大沢真幸 : 1958年、長野県松本市生まれ。社会学者。1987年、東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得退学。博士(社会学)。千葉大学文学部助教授、京都大学人間・環境学研究科教授等を歴任。2007年『ナショナリズムの由来』で毎日出版文化賞、2012年『ふしぎなキリスト教』(橋爪大三郎と共著)で新書大賞、2015年『自由という牢獄』で河合隼雄学芸賞を受賞。個人思想誌『Thinking「O」』を主宰(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • 鉄之助 さん

    全く同じ日(1970年11月25日)に起きたふたつの謎、三島の割腹自殺と遺作『豊饒の海』の原稿終了、をめぐっての考察が縦横に語られる。なぜ、世界的な文豪・三島があのような人生の終わり方をしたか? 「永遠の謎」を解くヒントが様々示されている。面白かったのは、初期の最も重要な長篇小説『仮面の告白』に『豊饒の海』の驚くべき結末が予感され準備されていた、という指摘だった。『豊饒の海』の結末から遡って『仮面の告白』を読み返すと、LGPTの先駆的小説に留まらない意味が見えてくる、という。無性に再読してみたくなった。

  • かみぶくろ さん

    「豊穣の海」のラストの衝撃は、いまも、そしてこれからも忘れることはないだろう。すべてを否定するあの寂寞は、小説における「虚無」の表現の究極形だと思う。本作では、社会学者マサッチーが、@なぜ知性の塊の三島があんな無様な自死を遂げたのかAなぜ豊穣の海はあのような最後となったのか、の謎に迫る。分析自体は極めて濃密で、プラトンのイデア論なんかをフックに、三島作品を貫く「海」「火と鉄」の2つの論理から、作品史を読み解いていく。そもそも三島が大好きなので、内容の難しさに頭を抱えつつも、楽しく意義ある読書時間となった。

  • harass さん

    講義からまとめた新書の三島論。社会学者の著者は長年思い続けていた、三島の2つの謎を考察する。なぜあのような知性の持ち主が、あのような最後を迎えたのかと、最後の小説「豊穣の海」の不可解な結末などだ。多数の三島作品や評論から論じていく。ある程度三島作品を読んでいて、著者の大澤にも馴染んでいる人なら一番楽しめるだろう。自分は飛ばし飛ばしで読んでしまったが、なかなか楽しめた。三島は書き飛ばして駄作として自覚している作品があるそうで、そういう作品は知り合いに献本するときに署名しなかったそうだ。良書。

  • 佐島楓@執筆中 さん

    世界(自分)の破壊を作品と現実の両方において設計してしまったのが三島というひとなのだろうか。このような読み方は行ったことがなかったので、ミステリを読み解くようで大変参考になった。が、本人が残した言葉がすべてではないというところに永遠性がある。私には人間の性的孤独をついに受け容れられなかったひとのようにも思える。最近少し作品を読み返しているので、豊饒の海四部作くらいは再読したい。

  • fwhd8325 さん

    これまでにも、たくさんの三島論が語られてきた。これからも昭和という時代を語るとき、必ず、三島は登場するだろう。作家としてだけでなく、この人の存在そのものが「時代」だったと思います。私は、三島への想いは強く、否定的な考え方もありながら、やはり、特別な存在であることは間違いありません。ここで語られているほど、三島論をたたかわすことはできません。三島には美への計り知れない追求があったと思います。11.25もその延長にあるものと思っています。今年は、もう一度三島を読んでみようと思います。

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