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あなたに語る日本文学史 角川ソフィア文庫

大岡信

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784044007836
ISBN 10 : 4044007837
Format
Books
Publisher
Release Date
August/2023
Japan

Content Description

「日本の詩歌はさみしい主題を歌っているように見えるけれど、実は享楽的だと思います」。古より日本の文学は歌を中心に栄えた。表舞台たる政治の裏側で、万葉集や古今和歌集、閑吟集や梁塵秘抄は、自然を愛で、恋心を歌うことを楽しんできた。やがて民衆へも広まった歌は、芭蕉や蕪村、子規らのもとで大衆芸術としての地位を獲得してゆく。日本のことばの真の姿を歌と詩に探りつづけた詩人が、次世代のために語り伝えた日本文学史。

目次 : 1 政治の敗者はアンソロジーに生きる―「万葉集」/ 2 平安文化の表と裏―「古今和歌集」/ 3 詩歌の歴史は編纂者の歴史―「古今和歌六帖」/ 4 奇想の天才源順―「伊勢物語」と「大和物語」/ 5 女たちの中世―建礼門院右京大夫と後深草院二条/ 6 男たちの中世―俊成/西行/定家/ 7 歌謡の本質的な面白さ―「梁塵秘抄」/ 8 風俗の万華鏡―「閑吟集」から「唱歌」「童謡」まで/ 9 良基も芭蕉もパスも―連歌/連句/レンガ/ 10 「写生」は近代文学のかなめ―子規の道・紅葉の道

【著者紹介】
大岡信 : 1931年生まれ。詩人、評論家。東京藝術大学名誉教授。日本ペンクラブ元会長。1997年文化功労者、2003年文化勲章受章。2017年没(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

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  • わたなべよしお

    大岡信さんは、いつも新たな視点と胸に落ちる論点を提供してくれる。しかも小気味いい。今作も歌謡、連歌。少なくとも僕の文学史からは抜け落ちていた。もっと新鮮だったのは芭蕉の恋歌。実に色っぽいね。芭蕉のイメージにはなかったが、芥川龍之介とかは、流石に気づいていたんですね。さらには藤原定家よりは俊成ですか。ともかく今、大岡信さんに、ハマってます。

  • ロビン

    詩人の大岡信が『万葉集』からオクタビオ・パスの『RENGA』の取り組みや正岡子規と尾崎紅葉の対比までを談話的に語った我流の日本文学史。日本人の所謂空気に従う、精神的勇気に欠けるなどの戦時の反省に立ち、明確な問題意識を持って書かれた加藤周一の『日本文学史序説』と比べると「我等日本人はあまり精神的な存在ではない」と現実追認的で覇気を感じないが、後半の芭蕉の連歌には発句とは違う一面があることや、蕪村が勉強家だったという話、子規の「写生」の非常な革新性、虚子と碧梧桐について、尾崎紅葉の俳句の紹介などは面白かった。

  • ぽん

    文学史という表題だけれど、和歌が中心の叙述で、これこそが日本の文学を通底するものだったんだという語りが伝わってくる。万葉集の敗者のアンソロジーというところから始まって、古今和歌集や紫式部清少納言和泉式部、さらにはなかなか知られていない天才たちを取り上げて大きく歴史を語るところは斬新さと視野の広さが対座しているよう。こうして語られる文学史を味わうのもいいものだと感じた。

  • おのおの

    建礼門院右京大夫の和歌の解説が特に良かった。和歌は文脈が大事なので背景を丁寧に説明してくれるのがありがたい。この3つの和歌が好き。 なべて世の はかなきことを 悲しとは かかる夢見ぬ 人や良いけむ 悲しとも またあはれとも 世の常に いふべきことに あらばこそあらめ 月をこそ ながめ慣れしか 星の夜の 深き哀れを 今宵知りぬる

  • うさえ

    記紀から勅撰集に繋がる和歌の歴史から始まり、歌謡、連歌、連句、さらには子規以降の近代俳句、短歌まで、十章に分けて語った大岡流日本文学史。『古今和歌六帖』、『梁塵秘抄』、『閑吟集』の具体的な内容も詳細に紹介されている。芭蕉は連句の作者として理解すべきこと、漢詩文が日本文学に与えた影響、「写生」という言葉の意味するところなど、学ぶところ大であった。「決まり文句」を知ることは、豊かな言語文化を生み出すための必須条件なのだと再認識。

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