『春がやってくる〜フィンランド大公国の希少合唱曲集』　ニルス・シュヴェケンディーク＆ヘルシンキ室内合唱団

フィンランドがロシア支配の大公国だった1809年から1917年の時代に作曲され、
シベリウスの音楽やナショナル・ロマンティシズムが主流になるとともに
忘れられていった後期ロマンティシズム・スタイルの希少合唱曲集

ヘルシンキ室内合唱団と芸術監督ニルス・シュヴェケンディークの『エーリク・ベリマン：合唱作品集1936年〜2000年』と『祝え喜べ！〜フィンランドのクリスマス』に続くアルバム。フィンランドがロシア支配の大公国だった1809年から1917年の時代に作曲され、シベリウスの音楽やナショナル・ロマンティシズムが主流になるとともに忘れられていった後期ロマンティシズム・スタイルの合唱曲。アルバムのテーマは「春」。ロシア帝国の自治領だった「冬の時代」から解放された「フィンランドの春」が重ね合わせられています。
　フィンランド国歌を作曲したフレードリク・パーシウス[1810-1891]の『春の朝』、クラリネットの協奏曲と四重奏曲で知られるベルンハード・ヘンリク・クルーセル[1775-1838]の『幸あれ、なんじ気高き北の国！』、混声合唱団「シルヴィア・クラブ」を創設したカール・ヨハン・モーリング[1832-1868]の『待つ者』と『復讐』、彼の合唱団で歌っていたガブリエル・リンセーン[1838-1914]の『収穫作業人の歌』とヘンリク・ボレニウス[1840-1909]の『歌うつがいの鳥に寄せて』、ヘルシンキ音楽学校（現ヘルシンキ芸術大学シベリウス・アカデミー）を創設したマルティン・ヴェゲリウス[1846-1906]が民謡を編曲した『娘は踊りの輪に入る』、後任として校長を務めたエルッキ・メラルティン[1875-1937]の3曲。人気のあった歌を当時のスタイルで再現するため、フィンランド化の進む中でフィンランド語の歌詞に置き換えられスウェーデン語やドイツ語の歌は、一部の曲をのぞき、オリジナルの詩が歌われます。フレードリク・アウグスト・エールストレム[1801-1850]の『白鳥』とカール・コッラン[1828-1871]の『朝の歌』は、オリジナルの詩による楽譜が見当たらず、フィンランド語の歌詞からそれぞれウェーデン語とドイツ語に復元。ボレニウスの『歌う番いの鳥に』は、トペリウスの詩が紛失したため、最初に出版されたフィンランド語歌詞の楽譜が使われました。（写真© Markku Pihlaja）（輸入元情報）

【収録情報】
● メラルティン：朝に（J.H.エルッコ詩）
● コッラン：朝の歌（ルートヴィヒ・ウーラント詩）
● ボレニウス：歌うつがいの鳥に寄せて（サクリス・トペリウス詩、フィンランド語訳者不詳）
● モーリング：待つ者（カール・ユーハン・モーリング詩）
● モーリング：復讐（ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリ詩）
● ヘンリク・クルーセル：幸あれ、なんじ気高き北の国！（フレードリク・ベルンハード・コステル詩）
● ピエ・カンツィオーネス／クレメッティ：緑の季節に／来たれ、祝福されし春
● パーシウス：春の朝（ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリ詩）
● レテーン：夕べの歌（作者不詳の詩）
● エールストレム：白鳥（ユーハン・ルードヴィーグ・ルーネベリ詩）
● カヤヌス：セレナード（エーリク・ユーハン・スタグネリウス詩）
● 伝承曲、シヴォリ編：喜びと悲しみ（フィンランド民謡）
● シーリヤンデル：森の中で（作者不詳の詩）
● ハンニカイネン：プンカハルユの歌う娘（A.オクサネンの詩）
● ハーグフォシュ：春のポルスカ（A.O.ヴィアレーンの詩）
● 伝承曲、ヴェゲリウス編：娘は踊りの輪に入る（ウーシマーの輪踊り）
● シーリヤンデル：静かに！（作者不詳の詩）
● レッパネン：一度だけ夏の夢を見た（エイノ・レイノ詩）
● ゲネツ：静かな国へ（ヨハン・ガウデンツ・フライヘル・フォン・ザーリス＝ぜーヴィス詩）
● ヤルネフェルト：孤児と小鳥（『カンテレタル』詩）
● ヤルネフェルト：恋しい人の小道（『カンテレタル』詩）
● メラルティン：ダルトゥラの葬送歌（『オシアン』／J.L.ルーネベリ／ユリヨ・ヴェイヨラ）
● メリカント：東から吹く風の中に（セヴェリ・ヌオルマー詩）
● メラルティン：輪踊りの歌（作者不詳の詩）
● 伝承曲、ファルティン編：輪踊りの歌（フィンランド民謡）
● リンセーン：収穫作業人の歌（サクリス・トペリウス詩）

　ヘルシンキ室内合唱団
　ニルス・シュヴェケンディーク（指揮）

　録音時期：2017年3月、4月
　録音場所：フィンランド、ヤルヴェンパー、ヤルヴェンパー教会
　録音方式：ステレオ（デジタル／セッション）
　制作・録音：マリオン・シュヴェーベル