すれ違う背中を マエ持ち女二人組 新潮文庫

乃南アサ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784101425511
ISBN 10 : 4101425515
フォーマット
出版社
発行年月
2012年11月
日本
追加情報
:
318p;16

内容詳細

パン職人を目指して日々精進する綾香に対して、芭子はアルバイトにもなかなか採用されない。そんなある日、ビッグニュースが!綾香が商店会の福引きで一等「大阪旅行」を当てたのだ。USJ、道頓堀、生の大阪弁、たこ焼き等々初めての土地で解放感に浸っていた彼女たちの前に、なんと綾香の過去を知る男が現れた…。健気な女二人のサスペンスフルな日常を描く人気シリーズ第二弾。

【著者紹介】
乃南アサ : 1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。’88年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作になる。’96(平成8)年『凍える牙』で直木賞を、2011年『地のはてから』で中央公論文芸賞をそれぞれ受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • ヴェネツィア さん

    「あそこ」から帰ってきた芭子・綾香のシリーズ第2弾。前作を読んでいるだけに、二人に対する共感もひとしお。乃南アサさんの作家としての想像力と、そして自身の創造した人物たちであるとはいえ、そこに寄せる限りない慈しみが伝わってくる。「そうすれば、また明日がくる。一日だけでも生き延びた気分になれる」ー塀の中にいると、一日一日は刻むように過ぎていくのだろう。そして、そこから帰還した今もまた。また、終わり近くに芭子が作ったカレーを二人で食べるシーンがあるが、そこもしみじみと実にいい場面である。心の微細な表現が光る。

  • ミカママ さん

    ずぅっと読みたいと思ってた続編、やっと手に入った。もうね、何もかも大好き。設定、登場人物、背景、、、。わたしもこんな下町の古民家で、お針仕事しながら、パン焼くのが得意なお友だちと暮らしていきたいもんだ、、、とはいえ、前科(マエ)持ちの彼女たちには、なみなみならぬ苦労もあって。ラストの「コスモス」には、乃南さんの同性ならではのトゲもチクリと感じられて。堀井憲一郎さんの解説もあわせて読むと、さらにグッ❗️

  • ykmmr (^_^) さん

    乃南さんに一目惚れしてしまった作品の、第二編。他の人が経験しない、偽りなしの過去を持ち、それにお互いに絆されて不思議な『関係』を持つハコちゃんと綾さん。『人生経験』が若干上の綾さんが、大人しく不器用なハコちゃんを引っ張っているが、ハコちゃんも自分を出し始めて来ている。夢に向かう綾さんに対し、曖昧な自分に『情け』を感じながらも、綾さんを純粋に信じている。ハコちゃんに対しての親の『審判』や2人が収監中にオープンしたUFJに出かけ、そこで綾さんの『過去』を知るオトコと再会し、プチトラブる場面はあるものの、

  • pino さん

    芭子と綾香に旅行が大当たり。つましい生活をしている二人にとっては嬉しいハプニング。過去に囚われている芭子の心も徐々に解れていく。第二弾では二人の人生も一歩、一歩、前進している。だが、受け取るハプニングは好ましい物だけではないようで。過去と未来が、クルクルと芭子と綾香を翻弄する。様々な出来事の中で知り合う人々に心をかき乱される二人。でも、確実に前進している。強さ、そして、しなやかさまでも手に入れているようだ。お馴染みの警察官や怒りボタンもいい味出してる。二人が紡ぎ上げた日々が形となって、夢が叶いますように。

  • 優希 さん

    前科持ちながら、慎ましく暮らしている2人を見守りたくてたまらなくなります。暗い過去があっても夢を持つことはできると思います。芭子が過去の罪に縛られすぎていて、不安が大きくて心を開くことができないのが辛い。綾香も過去を知る男が現れて揺れただろうけれど、人生は過去が重なっていくものだし、悔いることのない人生を過ごしてきた人はいないはず。罪をきちんと償っているのだから、芭子にも綾香にも何気ない日常を前向きに生きて欲しいと感じました。綾香のパンが食べてみたいです。

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乃南アサ

1960(昭和35)年、東京生れ。早稲田大学中退後、広告代理店勤務などを経て、作家活動に入る。’88年『幸福な朝食』が日本推理サスペンス大賞優秀作になる。’96(平成8)年『凍える牙』で直木賞を、2011年『地のはてから』で中央公論文芸賞を、’16年『水曜日の凱歌』で芸術選奨文部科学大臣賞をそれぞれ

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