ロマンス小説の七日間 角川文庫

三浦しをん

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784043736010
ISBN 10 : 4043736010
フォーマット
出版社
発行年月
2003年11月
日本
追加情報
:
15cm,283p

内容詳細

あかりは海外ロマンス小説の翻訳を生業とする、二十八歳の独身女性。ボーイフレンドの神名と半同棲中だ。中世騎士と女領主の恋物語を依頼され、歯も浮きまくる翻訳に奮闘しているところへ、会社を突然辞めた神名が帰宅する。不可解な彼の言動に困惑するあかりは、思わず自分のささくれ立つ気持ちを小説の主人公たちにぶつけてしまう。原作を離れ、どんどん創作されるストーリー。現実は小説に、小説は現実に、二つの物語は互いに影響を及ぼし、やがてとんでもない展開に!注目の作家、三浦しをんが書き下ろす新感覚恋愛小説。

(「BOOK」データベースより)

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ただの恋愛小説ではありません。 主人公の...

投稿日:2012/02/08 (水)

ただの恋愛小説ではありません。 主人公の女の子の現実生活と、彼女が生業として翻訳している中世ロマンス小説の二つが展開していきます。 型にはめたようなヒロインのお姫様、これまた型にはまった美男騎士。彼らの仲を引き裂こうとする悪とたたかい、窮地に陥りつつも勇敢に乗り越え、同胞の死とか何か大変なことも乗り越え、悪を絶ち、二人は永遠を誓い、happy end−−という超ありきたりなストーリーに辟易している主人公。現実世界でも、30になる彼氏が「会社、辞めてきちゃった」って言い出したり、海外に旅立つことを突然知らされたり…怒りに狂った翻訳家は、ありきたりな型を破って物語をあらぬ方向に創作していってしまいます。 話が重くないので気持ち良く読めてよかった。主人公の、自分や翻訳しているストーリーに対するツッコミが面白いです。

peko-rock さん | 大阪府 | 不明

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読書メーターレビュー

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • ミカママ さん

    しをんさんの(BLではない)恋愛小説。ひと組は中世のイギリスの騎士と美しき女性領主、もう一組は現代、女性翻訳家とそのちょっと頼りない彼氏とのスパイラル構成。どうなってんの?と思われたそこのあなた、ぜひお手に取ってみて。初期の作品だが、しをんさんらしいユーモアに満ち溢れた今作。え、こんなの書いちゃっていいの?的なお色気も。

  • 青葉麒麟 さん

    あまあまのベッタベタなロマンス小説がどんどん創作翻訳されて内容が変わって行くのが面白かった♪【ウォリック】よか【シャンドス】の方が好きだなぁ。

  • にいにい さん

    流石、三浦しおんさん。三浦さんの恋愛小説は、こんなにも面白いんだ。翻訳者の現実逃避による妄想がロマンス小説を訳すんじゃなく、創作する。それが、三浦さん風のロマンス小説!あっちの方に向いていく。初めてロマンス小説楽しんじゃった。この創作の結末の方が、原作よりもヒットするんじゃないかなあ?。あとがきにある恋愛観もいい〜。神名の生き方、あかりの受け方、あったらいいなぁ〜。本当に面白い一冊。三浦さんの作品は、時々、思い出したように読むのに最適(●^o^●)。

  • さてさて さん

    『これはもう翻訳じゃない。完全に私の創作物になっている』と、翻訳業を忘れて創作にのめり込むあかり。そんなあかりの日常生活と中世の歴史小説が一冊の本の上で同時に展開するというなんとも贅沢なこの作品。極めて庶民的な現代社会の描写と、極めて格調高い世界中世社会の描写が交互に読者の前に姿を表すこの作品。一冊の本を読んだだけなのに、読み終わったのはまさに二冊分の物語だったというこのお得感。二冊分のそれぞれ異なる読後感が読み終わった瞬間に同時に心を支配するというなんとも不思議な経験ができた、とても興味深い作品でした。

  • Atsushi さん

    翻訳家の主人公あかりと恋人神名とのドタバタの恋愛劇と主人公が翻訳する海外ロマンス小説が並行して語られるという、ちょっと変わった構成。最初は「読みにくいかも」と思ったが、意外とサクサク読了。あかりの気分によってロマンス小説がどんどんねつ造される展開に爆笑。昔のCMに「一粒で二度おいしい」とあったが、本作もそのとおり。2代目ウォリック様に幸あれ。「たんぽぽの汁」で飲みたくなった。

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