ヴェルー:オーボエとピアノのための作品集
フランスのオーボエ奏者&作曲家スタニスラス・ヴェルーはアールブルックで生まれ、オーボエとヴァイオリンの2つの楽器の名手として活躍します。パリ音楽院では1833年にギュスターヴ・フォークトのクラスで2等賞を獲得、その翌年には1等賞を獲得し、またヴァイオリニストしては、1831年にパレ・ロワイヤルのオーケストラで第2ヴァイオリン奏者に就任したという記録があります。その後はフォークトの後任として1853年から1860年までパリ音楽院のオーボエ科の教授となり後進の指導にあたりました。
この演奏会用独奏曲は、彼の代表作であり、少なくとも80曲を超える作品番号が付けられており、どれもがオーボエの超絶技巧を駆使した演奏困難なものとして知られています。素晴らしい作品なのに、なぜか録音がほとんどないのも不思議なことです。
オーボエを演奏しているのは1965年ラヴェンナ生まれのエンリコ・カルカーニ。彼はヴェローナ音楽院でディエゴ・ディーニ・チアッチに師事し、サルッツオのコンクールで優勝。数々のオーケストラで首席を務めながら、1992年からはソリストとしてだけでなく、室内アンサンブルにも積極的に参加し、活動範囲を広げてきた人です。ピアノを演奏しているマガーニは作曲家としても高名で、管楽器の構造にも詳しく、ここでも説得力高い演奏を聴かせます。(DYNAMIC)
【収録情報】
ヴェルー:
・演奏会用独奏曲第3番 Op.76
・演奏会用独奏曲第4番 Op.77
・演奏会用独奏曲第10番 Op.84
・演奏会用独奏曲第5番 Op.78
・演奏会用独奏曲第8番 Op.82
・モンプーの歌劇『大農園主』による変奏曲 Op.12
・演奏会用独奏曲第6番 Op.79
エンリコ・カルカーニ(オーボエ)
アルベルト・マガーニ(ピアノ)
録音時期:2013年
録音場所:イタリア、クネオ
録音方式:ステレオ(デジタル)
世界初録音(Op.77を除く)