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「幸せの列車」に乗せられた少年

ヴィオラ・アルドーネ

Product Details

Genre
ISBN/Catalogue Number
ISBN 13 : 9784309208664
ISBN 10 : 4309208665
Format
Books
Publisher
Release Date
September/2022
Japan
Co-Writer, Translator, Featured Individuals/organizations
:

Content Description

南部の貧しい家庭の子供を北部の一般家庭が一時的に受け入れる、第二次世界大戦後のイタリアで実際に行われた社会活動「幸せの列車」。貧困問題、親子関係、新しい暮らし、揺らぐアイデンティティ―7歳の少年の目を通し、ユーモアを交えた圧倒的な筆致で描き出す。イタリア版本屋大賞(Amo questo libro賞)など受賞、33言語で刊行のベストセラー!

【著者紹介】
ヴィオラ・アルドーネ : 1974年、イタリアのナポリ生まれ。文学部を卒業したのち、出版社勤務を経て、高校でイタリア語とラテン語を教える。2012年、『La ricetta del cuore in subbuglio(乱れた心の処方箋)』で小説家としてデビュー。2019年に発表した長編小説3作目となる本書『「幸せの列車」に乗せられた少年』がイタリア国内で30万部を売り上げるベストセラーとなり、33言語で刊行される。2021年に発表した最新作、『Oliva Denaro(オリーヴァ・デナーロ)』では、男性優位の因襲が強く残る1960年代のシチリアの村を舞台に一人の女性の生き方を描き、“現代のヒロイン賞”を受賞した。イタリアでもっとも注目される作家の一人となった現在でも、高校教師の仕事を続け、生徒たちに読書の喜びを伝える活動などを精力的におこなっている

関口英子 : 埼玉県生まれ。大阪外国語大学イタリア語学科卒業。翻訳家。『月を見つけたチャウラ ピランデッロ短篇集』(光文社古典新訳文庫)で第1回須賀敦子翻訳賞受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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Book Meter Reviews

こちらは読書メーターで書かれたレビューとなります。

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  • たま

    著者のヴィオラ・アルドーネさん初読み。最近刊(『オリーヴァ・デナーロ』)の翻訳でお名前を知り、こちらを図書館で借りて読んだ。第2次大戦直後、南イタリアの貧しい家庭の子どもたちが冬を越すために北イタリアの家庭に送られる。共産党主導の善意のプロジェクトだが、それでも教育や貧富の差で子どもの心は傷つく。過度に感傷的にならずに子どもの心が細やかに描写されており、引き込まれて読んだ。ラストの章は40年後の1994年、「それでこの子どうなるの?」と言う根底の疑問に答えが与えられる。とても良い読書だった。

  • ケロリーヌ@ベルばら同盟

    第二次世界大戦終結後、荒廃が続くイタリアで大勢の子供たちを乗せて走る列車があった。ナポリで母さんと二人暮しをするアメリーゴ少年は、7歳の時、この列車に乗って北部の家庭に預けられる事になった。戦後の混乱、南北の経済格差や政治的分断から、子供列車への否定的な憶測が飛び交う中、我が子を手放す親の心境は如何ばかりだっただろう。物語は、天真爛漫な少年の視点で描かれる。豊かな北部で広い世界を知ったアメリと、不幸な生い立ちと生活苦から愛する事に不器用な母さんの距離は、物理的にも心理的にも離れてしまっただろうか。

  • ナミのママ

    第二次世界大戦後のイタリアには4歳から12歳の子供を乗せて走る「幸せの列車」が実在した。南部の困窮家庭の子たちを北部の一般家庭が受け入れていたという。それをモチーフに7歳の少年の視点から始まる小説。少年が2つの家庭で過ごす事により混乱、分断された様子が痛々しい。また子供の貧困、虐待等のテーマは珍しくないがここには政治色が強く関わっているのも驚きだ。最終章で人生の折り返しを過ぎた主人公の心情がせつなく、かつ希望を見たようで余韻が残る。 【アンテラリエ賞外国小説部門・ワンディ賞】他受賞

  • キムチ

    4部構成、1〜3部は1946年、4部は時計がぐるり 48年後に故郷を歩く僕。1人称で語る少年。伊は元来 多州の連合で成り立って行った国、従い各地域は気候の異なりもあり 食・言語・慣習等多様を極める。当時 貧しい南部から北部へ里親へ託す意味で運行された子供列車。そうでなくても多感な成長時期の彼彼女・・託す親も託された側も複雑な想いが人生に跡を残したろう。終章で再会するアメリとトンマ・・まさに好対照。実親と義親を上手く折り合わせた否か。代筆人や古着屋、アメリの兄を絡め、一番心の底に沈んでいた母との酸い味を嚥下

  • がらくたどん

    『オリーヴァ・デナーロ』を読む前に。大人の合理的判断の影に埋もれてきた子どもの小さな声を拾ういわば「多声」の文学。第2次大戦直後、南北の経済格差が広がったイタリアで共産党婦人部を中心に南部の困窮層の子どもを一冬北部の篤志家庭に経済疎開させる「子ども列車」という福祉プログラムが稼働した。状況を呑み込めぬまま家族と別れて見知らぬ土地に送られる子どもの不安。送り出す家族の忸怩たる思い。日本の空爆回避の戦時疎開とは違う「すぐ死ぬわけではない」状況での分離は子ども側・大人側双方の自尊感情に言葉にしにくい影を落とす。

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