ラトヴィアの巨匠ペーテリス・ヴァスクス2つの協奏曲
ソル・ガベッタのために作曲した『チェロ協奏曲第2番』
ヴィオラの可能性を広げた『ヴィオラと弦楽オーケストラのための協奏曲』
ペーテリス・ヴァスクス(Peteris Vasks)は、母国に古くから伝わる民謡や宗教歌の要素を現代音楽の語法と組み合わせたダイナミックな作風を数多く手がけ、ラトビアでもっとも国際的に人気の高い作曲家と言われます。『存在すること(Klatbutne)』の副題をもつ『チェロ協奏曲第2番』は、ソル・ガベッタのために作曲された作品です。真理を見出す人の一生と再生をイメージして書かれ、「カデンツァ−アンダンテ・カンタービレ」「アレグロ・モデラート」「アダージョ」の3楽章で構成されています。フィンランドのチェリストで、タピオラ・シンフォニエッタやフィンランド放送交響楽団の首席奏者を務め、ソリストと室内楽奏者として多くのコンサートや録音に参加するマルコ・ユロネン(Marko Ylonen)のソロ。フィナーレの「新たな命として戻ってきた魂に寄せる『子守歌』」のメロディは、作曲家レポ・スメラの子、タリン室内管弦楽団のヴァイオリン奏者のエヴァ=マリア・スメラの声で歌われます。
『ヴィオラと弦楽オーケストラのための協奏曲(Concerto per viola ed orchestra d’archi)』は、4楽章の作品です。ヴィオラの「ビロードのようなカンティレーナ」が美しい「アンダンテ」、農民の踊りとフィドルの演奏、そしてバロックの趣ももった「アレグロ・モデラート」、「アンダンテ」と「アダージョ」。ヴァスクスは、ヴィオラを借り、いろいろなテクニックを試し可能性を探りながら作曲を進めていきました。ソリストのリッリ・マイヤラ(Lilli Maijala)はフィンランド、ドイツとスウェーデンでヴィオラを学び、ペッカ・クーシスト、コパチンスカヤとウィスペルウェイと組んだ四重奏団など、室内楽とソロの活動をしながらシベリウス・アカデミーで教えています。
1993年にトヌ・カリユステにより創設されたタリン室内管弦楽団を「良き友人、卓越した解釈の演奏を聴かせ、私の音楽にインスピレーションを与えてくれる」とヴァスクスが語る、ユハ・カンガス(Juha Kangas)が指揮しています。(輸入元情報)
【収録情報】
ヴァスクス:
1. チェロ協奏曲第2番『存在すること』(2011-12)
2. ヴィオラと弦楽オーケストラのための協奏曲(2014-15)
マルコ・ユロネン(チェロ:1)
リッリ・マイヤラ(ヴィオラ:2)
タリン室内管弦楽団
ユハ・カンガス(指揮)
録音時期:2020年1月17-22日
録音場所:エストニア、タリン、ブラックヘッド会館ホワイト・ホール(Mustapeade Maja, Valge saal)
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
制作、録音、編集:タンモ・スメラ