ギリシャの作曲家とギリシャをルーツにもつ作曲家による
ヴァイオリンとピアノのための作品集!
SACDハイブリッド盤。このアルバムは、ギリシャの作曲家とギリシャをルーツにもつ作曲家によるヴァイオリンとピアノのための作品を紹介する目的で作られました。
ボリス・パパンドプロ[1906-1991]は、ボンに近いドイツのホンネフ・アム・ラインに生まれた、ギリシャ系クロアチアの作曲家です。ザグレブ音楽アカデミーで学び、指揮者としても活動しました。『ヴァイオリンとピアノのためのソナタ』はバルカン半島の民俗音楽の味わいをもち、『瞑想(Medidation)』はアドリア海に面したダルマチア沿岸の美しい村トリブニで作曲された哀愁的な気分の小品です。
ディオス・コンスタンティニデス[1929-2021]はギリシャ北部のイオアニナ生まれ。ニューヨークのイヴァン・ガラミアンやドロシー・ディレイたちにヴァイオリン、アテネのヤニス・パパイオアヌーとミシガン州のオーウェン・リードに作曲を学びました。『ヴァイオリンとピアノのためのソナタ』は「厳格な十二音技法」で書かれた「長く掃くような旋律」が特徴の3楽章の作品です。
アテネ生まれのディミトリー・テルツァキス[1938-]は、アテネのヤニス・パパイオアヌーとケルン音楽大学のベルント・アロイス・ツィンマーマンに学びました。その後「ダルムシュタット」のドグマを離れ、音色ではなくメロディを重視する作曲を行うようになりました。『地獄のソナタ(Sonate infernale)』はダンテの「神曲」からインスピレーションを得た3楽章の作品です。その直後、音と感情の世界で関連をもつ、短い旋律の楽想による格言的な曲集『風の中の言葉(Spruche im Wind)』が作曲されました。
ヤニス・コンスタンティニディス[1903-1984]はアナトリアのスミルナ(現イズミル)で生まれました。ギリシャ=トルコ戦争の直前にアテネに移り、ベルリンでパウル・ユオンに作曲と理論を学んだ後、キャバレーや劇場のピアニストとして生計を立てました。帰国後、コスタス・ヤンニディスの別名で万能の音楽家として活動、経音楽の分野で大きな成功を収めました。『ドデカネス諸島のギリシャ民謡による組曲(Suite sur des melodies populaires grecques du Dodecanese)』はスイスの民俗音楽研究家サミュエル・ボー=ボヴィの『ドデカネス諸島のギリシャ民謡』を基に作られた「オーセンティック」な歌と踊りの曲集です。
ダナエ・パパマッテウー=マチュケは、将来を託されるギリシャの若い世代のヴァイオリニストのひとりです。アテネ生まれ。ザルツブルクのモーツァルテウムのイゴール・オジム、ハンブルク音楽演劇大学のターニャ・ベッカー=ベンダーに学び、テッサロニキのマケドニア大学の博士号を取得しました。ピアニストのウーヴェ・マチュケはベルリン生まれ。フランツ・リスト・ヴァイマル音楽大学でユリアネ・レルヒェ、ブダペストのリスト・フェレンツ音楽大学でペーテル・ショイモシュたちに学びました。アテネに移り、2001年にマケドニア大学の音楽学部ピアノ科の教授に任命されました。(輸入元情報)
【収録情報】
● パパンドプロ:瞑想(1987)〜ヴァイオリンとピアノのための
● パパンドプロ:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(1988)
● コンスタンティニデス:ヴァイオリンとピアノのためのソナタ(1971 rev.1977)
● テルツァキス:地獄のソナタ(2008-09)〜ヴァイオリンとピアノのための
● テルツァキス:風の中の言葉(2009)〜ヴァイオリンとピアノのための10の小品
● コンスタンティニディス:ドデカネス諸島のギリシャ民謡による組曲(1948)〜ヴァイオリンとピアノのための
カルパトス島の旋律(Air de Karpathos)
カリムノス島の牧歌(Chant pastoral de Kalymnos)
ロドス島の歌と踊り(Chant et danse de Rhodes)
レロス島の踊り(Danse de Leros)
ロドス島の旋律(Air de Rhodes)
ロドス島の結婚の歌と踊り(Chant nuptial et danse de Rhodes)
ダナエ・パパマッテウー=マチュケ(ヴァイオリン/カルロ・フェルディナンド・ランドルフィ1760年製作)
ウーヴェ・マチュケ(ピアノ/スタインウェイD)
録音時期:2022年6月17-20日
録音場所:ドイツ、ブレーメン、ゼンデザール
録音方式:ステレオ(DSD/セッション)
SACD Hybrid
CD STEREO/ SACD STEREO/ SACD 5.0 SURROUND
制作・録音エンジニア・編集:ファビアン・フランク
BIS ecopak