『ルトスワフスキ、ラスト・コンサート〜チェーン１、チェーン２、パルティータ』　ルトスワフスキ＆ニュー・ミュージック・コンサーツ（１９９３）

ルトスワフスキ／ラスト・コンサート

ポーランドの作曲家、ルトスワフスキ[1913-1994]は自作を表現するにあたって非常に優れた演奏家でもありました。作曲する際も流行などに惑わされることなく彼独自のスタイルに基づいており、常に新しい形式を模索し、またそれを推し進めたことで知られています。
　彼が追求した形式の一つに『チェーン』というものがありますが、これは偶然性や不確定な繰り返しなど様々な要素を含むものです。ここで聴ける『チェーンI』と『チェーンII』はまさにこの形式の最良の姿と言われるものです。
　『パルティータ』は比較的演奏される機会の多い作品ですが、ここでは作曲家の意図がよく伝わる演奏が実現されているものと思われます。仄暗く神秘的な音色が印象的な『花の歌と花のお話』も興味深い作品です。なお、ルトスワフスキはこのコンサートの3か月と2週間後にこの世を去っています。

【収録情報】
ルトスワフスキ：
・パルティータ（ヴァイオリンと管弦楽編）
・インターリュード
・チェーンII
・花の歌と花のお話（夜の美人／バッタ／ヴェロニク／野ばら、サンザシ、藤の花／カメ／バラ／ワニ／天使／蝶々）
・チェーンI

　フジコ・イマジシ（ヴァイオリン）
　ヴァルディン・アンダーソン（ソプラノ）
　ニュー・ミュージック・コンサーツ
　ヴィトルト・ルトスワフスキ（指揮）

　録音時期：1993年10月24日
　録音場所：トロント、プレミエ・ダンス・シアター
　録音方式：デジタル（ライヴ　CBC収録）
　原盤：New Music Concerts CD NMC98-1