Clarinet Concertos, Etc: Klocker(Cl)Prague Co Etc

イタリアンのクラリネット協奏曲！
メルカダンテのクラリネット協奏曲集！

サヴェリオ・メルカダンテは(1795-1870)は、ドニゼッティとほぼ同年代の生まれのイタリアの作曲家で、ヴェルディが台頭するまではイタリアで最も重要な作曲家でした。メルカダンテはまた、オペラの歌手の技法を応用し、フルートやクラリネットの華やかな協奏曲を多数作ったことでも知られています。
　変ロ長調のクラリネット協奏曲はメルカダンテの大傑作で、イタリア的な明るく軽快な快活さを、瑞々しい感性が適度に潤していて、誰が聞いても名作。かつてカール・ラ
イスターが好んで取り上げていたことでも知られています。変ホ長調はもっとロマン派的色彩が濃いもの。
　コンチェルティーノは疾風怒濤の趣。コンチェルタンテはフルート、二本のクラリネット、ホルンによる協奏交響曲のような曲で、華しい競い合いがまさにイタリアオペラのアンサンブルのようです。
　ウェットなイメージの強いクラリネット、しかしディーター・クレッカーだと明るく表情が豊かで無条件に楽しい音楽にしてくれます。もちろん技術水準だって世界トップクラス。メルカダンテ、知らない？などと敬遠したらもったいない素敵なCDです。

・メルカダンテ：クラリネット協奏曲　変ロ長調Op.101
・メルカダンテ：クラリネット協奏曲　変ホ長調Op.76
・メルカダンテ：クラリネット協奏曲　ハ短調
・メルカダンテ：コンチェルタンテ第3番　変ホ長調

　ディーター・クレッカー(Cl)
　ヴァーツラフ・クント(Fl)
　ジュゼッペ・ポルゴ(Cl)
　ヤン・シュレーダー(Hr)
　プラハ室内管弦楽団

　録音：2003年4月7−12日，プラハ