ミハル・アイヴァス

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黄金時代

ミハル・アイヴァス

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309206653
ISBN 10 : 4309206654
フォーマット
出版社
発行年月
2014年11月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
343p;20

内容詳細

虚構の島をめぐる蠱惑の旅行記、始まりも終わりもない増殖する“本”、連鎖する世界を解き放つ記憶の幻影―物語の極限を比類なき想像力と文学的技法で描く、現代チェコ文学が生んだ異形の大作!

【著者紹介】
ミハル・アイヴァス : 1949年、プラハ生まれ。作家、詩人、哲学者。カフカやペルッツなど、プラハの幻想文学の伝統を引き継ぎ、ボルヘスやカルヴィーノのメタ・フィクション的な想像力を発展させた文学世界の表現者として、今、もっとも注目されているチェコ作家のひとり。詩集『ホテル・インターコンチネンタルの殺人』(1989)でデビュー。代表作に、ヤロスラフ・サイフェルト賞受賞作『空虚な街路』(2004)など。2001年に発表された『黄金時代』は、2010年に英訳され、Amazon.com/SF・ファンタジー部門において、東欧作家では異例の一位を獲得した

阿部賢一 : 1972年、東京都生まれ。東京外国語大学卒業、カレル大学、パリ第4大学に学ぶ。現在、立教大学准教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • buchipanda3 さん

    チェコ出身作家の頭から止めどなく湧き上がってきたかのような物語の泉、いや迷宮へ誘われた。前半は虚構の島での体験記で、民俗学や言語学を絡めた異文化風土の当たり前の違いに刺激を受ける。島民の生活は利便性に基づいた決まり事に囚われず、名前も音楽も水の流れの如く変化に身を任せ、どこか懐かしさも。匂い時計が面白い。後半は島の「本」の話。叙事詩的な物語が魅惑的で、先へ読み進めたいのに脱線や入れ子で翻弄されるが愉しめた。「本」は時間が経つと変化し、中身は記憶のみに残る。それが無形への愛。かつての黄金時代を想うように。

  • 紅はこべ さん

    難儀した。手こずった。読み易くはなかった。理解できたとは全く思わない。でも惹かれる内容。特に後半「本」の話になってからは圧巻。何冊も長編小説が生み出せるほど、色濃く、イマジネーションが溢れる。物語は物語を生み出す。メタなのか、アンチメタなのか、私にはこの本を語れるほど、教養も知識も知能もない。でも理解できなくても、面白いと思える文学はあるのだ。

  • HANA さん

    一読して思い浮かべたのはやっぱりボルヘス。ボルヘスが一つの建物使ってやったことが、ここでは一冊の本に集約されている。本書前半の中心となっているのは島の記述。これがまた旅行記風、文化人類学的風に力技で一つの文化、価値感、言葉を作り上げているのが凄い。そしてそんな島に存在するただ一冊の本。本の物語が紹介される後半は文中の現実と作中作、そのまた作中作が入れ子構造で展開されており複雑な様相を呈している。入れ子構造大好きなので、ここは一気に読めたけど。読んでいる間中、本と語り、テキストについて考えさせられていたが。

  • おおた さん

    カルヴィーノ『冬の夜ひとりの旅人が』+スティーブン・ミルハウザー『バーナム博物館』の印象。もちろん著者が挙げているレーモン・ルーセルの空虚さもたっぷり。前半は拘りぬかれた言葉による手記で、客観性を出そうとして主観がにじみ出てくるところに、小説の業を感じる。それが一転、後半では物語らしい物語が幾重にも重ねられて、登場人物たちの輪廻は、作中に出てくる回転舞台のよう。好きかどうかは二の次で、これほど不思議な小説はちょっとお目にかかれない。

  • かもめ通信 さん

    もしも誰かに「どんな物語だったのか」と聞かれても上手く説明できる自信はないし、誰にでもお勧めできるという類いの本でもない。けれども私はこの“幻想”がとても気に入っていて本を閉じることをためらうほどだ。ミハルアイヴァス、やっぱりいいなあ!

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ミハル・アイヴァス

1949年、プラハ生まれ。作家、詩人、哲学者。ロシアからの亡命一家で育ち、カレル大学で美学を修学。幻想文学の系譜を推理小説、SF、旅行記と融合させた比類なき作品を発表する一方、理論研究センターでデリダ、フッサールについての研究を行う。マグネジア・リテラ賞、チェコ国立文学賞など、多数の文学賞を受賞

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