ボロン:生まれない孫たち、コーダニアの秘密の花園
オーストリアの表現主義作家ゲオルク・トラクルの詩を用いて書かれた歌曲集『生まれない孫たち』。指揮者・作曲家として活躍するファブリス・ボロンのこの作品は、もともと2014年にテノール、ソプラノ、室内オーケストラのために書かれたもので、2021年にエレクトリック・チェロと歌のために改訂されました。奇妙なタイトルはトラークルの詩の最終行に由来し、第一次世界大戦で兵士の亡骸を目にしたトラークルの「もう彼には決して孫や子孫が生まれることはない」という悲痛な心の叫びが凝縮されています。ピッツィカートをはじめとした多彩な音色を活かした、時にはグロテスクとも言えるエレクトリック・チェロの響きにのって歌いかわすソプラノとテノールの印象的な歌唱は、現代音楽の予期せぬ新しい方向性を切り開くものとして注目されることでしょう。また、ボロンがチェリストの妻に捧げた作品『コーダニアの秘密の花園』は、多重録音を駆使したエレクトリック・チェロのための刺激的な作品です。(輸入元情報)
【収録情報】
ボロン:
● 生まれない孫たち(2014/2021)〜トラクルの詩による声とエレクトリック・チェロのための歌曲集
1. 前書き
2. 春に
3. 陽気な春
4. 眠り
5. 間奏曲 I
6. 夜
7. 女性の祝福
8. 水の端で
9. 間奏曲 II
10. 午後に
11. せん妄
12. 夢想
13. グローデク
14. コーダニアの秘密の花園
ヨハネス・モーザー(エレクトリック・チェロ)
イリーナ・ジェウン・パク(ソプラノ:2,4,7,8,10,13)
ナッタポン・タマチ(テノール:3,6,8,11,12)
録音時期:2021年5月14-16日(2,4,6,7,10,13,14)、10月17日(1,3,5,8,9,11,12)
録音場所:ドイツ、Schlossbergsaal Sudwestrundfunk Freiburg
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)