『ヴァネッサ』全曲　ミトロプーロス＆メトロポリタン歌劇場、スティーバー、ゲッダ、他（１９５８　ステレオ）（２ＣＤ）

ミトロプーロス＆メトロポリタン歌劇場
バーバー『ヴァネッサ』全曲

明快な作風で知られた２０世紀アメリカの作曲家バーバーによるオペラ『ヴァネッサ』は、1958年1月15日にメトロポリタン歌劇場で初演され、評論家や聴衆からも圧倒的支持を得て大成功を収め、ピューリッツァー賞まで授与されたほどの成功作。その成功を受け、RCAでは同じ年の春にセッション・レコーディングを敢行し、完成したのが有名なこの全曲盤です。
　ミトロプーロスはバーバーの透徹したテクスチュアを大切に扱い、どろどろなおとぎ話風のストーリーを明快にドラマとして示しています。
　ストーリーはだいたいこんな感じです。主人公のヴァネッサは、20年も前に恋人のアナトールに棄てられた女。そのヴァネッサの前に、アナトールの同名の息子が現れ、ヴァネッサは年齢を忘れて彼に恋してしまいます。息子のアナトールもヴァネッサに好意を寄せますが、彼は同時に、ヴァネッサの姪のエリカを誘惑してしまいます。やがて紆余曲折を経ながらも、結局ヴァネッサと息子アナトールは結婚することとなり、姪のエリカは次の「アナトール」があらわれるまで館で待つ道を選ぶという不思議なお話です。
　ちなみにこの台本は、バーバーの私生活のパートナーだったこともあるジャン・カルロ・メノッティの手になるものです。

【収録情報】
・バーバー：歌劇『ヴァネッサ』全曲
　エリナー・スティーバー（S：ヴァネッサ）
　ニコライ・ゲッダ（T：アナトール）
　ロザリンド・エリアス（イライアス）（Ms：エリカ）
　レジーナ・レズニック（Ms：老男爵夫人）
　ジョルジョ・トッツィ（Bs：老医師）、他
　メトロポリタン歌劇場管弦楽団＆合唱団
　ディミトリ・ミトロプーロス（指揮）

　録音：1958年（ステレオ）