解散と合わせて発表された本作「世界は時々、夢を見る」はニッポリヒトの新たな一面を見せた最高傑作であると思う。前作と比べると、ややシリアスな曲調が増え、ニッポリヒトが作り出す世界観もより深いものとなっている。また、オススメ曲であるが、どの曲もしっかりと聞き込んでほしいので、オススメ曲は全部とさせていただきたい。本作には昨年の音源配布ツアーに収録された「絶望よ！こんにちは」と、同音源に収録され、愛媛のご当地アイドルひめキュンフルーツ缶にもカバーされた「例えばのモンスター」も収録されている。本作は解散が惜しくなるほど、良い作品であるし、聞きこめば聞きこむほど、ニッポリヒトというバンドはまだまだ成長していけるのではないかと思えてならない。しかし、彼らが解散という結論を出すまでには、様々な過程を踏んでのことであろうし、彼らが決めた決定を最大限に尊重したい。これからもニッポリヒトが残してくれた、曲達は僕らの中で生き続ける。そして、いつの日か、再びニッポリヒトを見ることができる日がくることを信じてやまないのである。

ニッポリヒトは、愛媛のメジャーバンド、ジャパハリネットのベースだった鹿島公行、ドラムの中岡良一、そして、弾き語りで活動していた白石ひでのり(現：白石英規)、サポートギターの4人でジャパハリネットの活動中に始めていたバンドであり、これがニッポリヒトのファーストアルバムである。率直に言う、素晴らしいアルバムである。それには彼らが歩んできた道のりの長さがしっかりと音や歌詞にも表れているからと言えよう。これからがとても楽しみなバンドであったが、彼らはつい最近、解散を表明した。 ニッポリヒトを取り巻く環境というものは、厳しかったものがあるかも知れない。しかし、彼らが残してくれた曲はこれからも生き続けるし、ニッポリヒトという素晴らしいバンドがいたという事実はこれからも残っていく。僕は最後まで彼らを応援していきたいし、解散の前に2nd album 「世界は時々、夢を見る」が発売される。2nd albumと合わせて、本作を購入し、ニッポリヒトの辿った歴史を体感してほしい。