ナンカロウ没後25周年記念
プレイヤー・ピアノのための練習曲全集
ナンカロウ没後25周年記念として、これまで「MDG」に録音されたプレイヤー・ピアノのための練習曲を全曲まとめてリリースします。
コンロン・ナンカロウはアメリカ、アーカンソー州に生まれ、ジャズ・トランペッターを経て、ピストン、セッションズ、ヘンリー・カウエルに学んで作曲に転じた変り種で、特にカウエルの影響から自動演奏ピアノの可能性に開眼、生身のピアニストには再現不可能なまでに微分化されたリズムを特徴とする創作にのめり込んだとされています。1936年のスペイン内戦に接してスペインへ渡り、同地で共産党に入党したことからアメリカへの帰国を拒否されたこともあって、その作品は長く正当な評価を得ないままでしたが、1980年代にジェルジ・リゲティが「ヴェーベルンやアイヴズに匹敵する大作曲家」と礼賛したことで、晩年になって忽然と名声を得るという、きわめて数奇な運命を辿った作曲家でもありました。
ナンカロウはプレイヤー・ピアノ(自動演奏ピアノ)のために多くの作品を残しました。『プレイヤー・ピアノのための習作』は全5巻もある膨大な作品。リゲティはこの作品を「21世紀の平均律クラヴィーア曲集」だと称賛。そのどれもが自動演奏ピアノ専用で、生身の人間では到底演奏不可能なものばかりです。1秒間に200回も打鍵するなどあたりまえ、時にはラグタイムの手法が応用されたり、機械的なパッセージが延々と繰り返されるなど、これこそ究極の実験音楽とも言えます。
ここに収録されているものは、ナンカロウの腹心の友ユルゲン・ホッカーが、ベーゼンドルファー・アンピコ・プレイヤー・ピアノをチューニングし録音された全50作品です。(輸入元情報)
【収録情報】
ナンカロウ:プレイヤー・ピアノのための練習曲全集
Disc1
● プレイヤー・ピアノのための練習曲第1〜12番
Disc2
● プレイヤー・ピアノのための練習曲第13〜32番
Disc3
● プレイヤー・ピアノのための練習曲第33〜41番
Disc4
● プレイヤー・ピアノのための練習曲第42〜48番
Disc5
● プレイヤー・ピアノのための練習曲第49a〜c番
● パラ・ヨーコ
● リゲティのために
● 未発表の習作 第1,4-5番
● 習作 第45番『ディスカード』
● 前奏曲(アレグロ・モルト)
● ピアノのためのソナチナ
● タンゴ?
● ウルスラのためのカノン A,B,C
● ピアノとヴァイオリンのためのトッカータ
Bosendorfer Grand Piano, with Ampico Player Piano Mechanism (1927)
Fischer Grand Piano, with Ampico Player Piano Mechanism (1925)
Instruments & Music Rolls from the Collection of Jurgen Hocker
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)