名手ベルワルツ、ショッホも参加!
足掛け3世紀、102歳まで生きた女性作曲家ツィーリッツの芸術が今明らかに!
グレーテ・フォン・ツィーリッツは1899年に生まれ、2001年に歿した女性作曲家。足かけ3世紀を生きた歴史の証人です。生まれはウィーンで、1917年以降はベルリンに住みシュレーカーに師事。1919年の歌曲集『日本の歌』で注目され、作曲家になることを決意したといわれます。彼女の作品だけによるディスクはこれまで1つしかなく、大歓迎のリリースとなります。
長い人生ゆえ作風も変化しています。『日本の歌』はエンダーリング独訳による大伴家持、和泉式部から斎藤茂吉までの和歌に基づき、濃厚な後期ロマン派的作風が興味津々。オリジナルはピアノ伴奏ですが、ここでは1980年代に作曲者自身が室内オーケストラ用にした版を使用。音楽は特に日本的でないものの、貴重なドイツのジャポニスム芸術と申せましょう。
ヴァイオリン、ピアノとオーケストラのための『死のヴァイオリン』も、もとはヴァイオリンとピアノのための作品を後年編曲したもの。父が重病で死に瀕していた際、山歩きしていた彼女が、木の上で死神がヴァイオリンを弾く幻覚にとらわれ、そのメロディを用いたとのこと。バレエとしてのシナリオも執筆したとされます。
『2本のトランペットのための二重協奏曲』はジャズ・トランペット奏者フリードリヒ・ケルナーと、当時ツィーリッツが注目していたアメリカの女性トランペット奏者キャロル・ドーン・ラインハルトのために作曲。カリオカ、チャチャチャなどラテン・アメリカのリズムやロックンロールの要素も採り入れた楽しい作品で、ツィーリッツの作風の幅広さと柔軟な感性に驚かされます。このアルバムでは元北ドイツ放送交響楽団首席イエルーン・ベルワルツと、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団の奏者でつい先頃2023年11月の来日公演で妙技を披露したアンドレ・ショッホがキレッキレの演奏を繰り広げます。(輸入元情報)
【収録情報】
ツィーリッツ:
1. 日本の歌(1919) 全10曲
2. 死のヴァイオリン(死の舞踏)(1953/7)〜ヴァイオリン、ピアノと管弦楽のための
3. 2本のトランペットのための二重協奏曲(1975)
ゾフィー・クルスマン(ソプラノ)
ニーナ・カーモン(ヴァイオリン:2)
オリヴァー・トリンドル(ピアノ:2)
イエルーン・ベルワルツ(トランペット:3)
アンドレ・ショッホ(トランペット:3)
ロベルト・シューマン・フィルハーモニー
ヤーコプ・ブレンナー(指揮)
録音時期:2023年7月12-14日
録音場所:ヘムニッツ・シュターツハレ
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)