CD 輸入盤

『怒りの日』によるセクエンツィア・シクリカ ジョナサン・パウエル(ピアノ)(7CD)

ソラブジ(1892-1988)

基本情報

ジャンル
:
カタログNo
:
PCL10206
組み枚数
:
7
レーベル
:
:
Europe
フォーマット
:
CD
その他
:
輸入盤

商品説明

● ソラブジ:『怒りの日』によるセクエンツィア・シクリカ

ジョナサン・パウエル(ピアノ)

Recording: 2015 at the Jacqueline du Pre Music Building, St Hilda’s College, Oxfor

Disc1 (79:29)
Disc2 (61:30)
Disc3 (65:07)
Disc4 (78:24)
Disc5 (69:48)
Disc6 (69:32)
Disc7 (79:58)

【ソラブジ】
イギリスの作曲家ソラブジ[1892-1988]は、インド人の父と、スペインとシチリアの血を引く母のもと、エセックス州チングフォードに誕生。ピアノと作曲の技術をほとんど独学で身につけ、生涯の多くをドーセット州の自分の城にこもって過ごしたという異端の天才。本名はレオン・ダドリー・ソラブジですが、父親がパールシーであったこともあり、ゾロアスター教由来の名であるカイホスルー・シャプルジ・ソラブジという名前にこだわり続けました。
 アルカンやブゾーニの影響を受けたソラブジは、演奏至難な曲をたくさん作り、さらに聴衆や演奏者の態度に腹を立ててそれらの作品の公開演奏を40年ものあいだ禁じたという筋金入りの変人。
 ソラブジの作品の多くは、異様なまでに高密度で複雑で技巧的で長大という特徴を持っていますが、その音楽には独特の美しさも含まれ、カルト的な人気を得ていることでも有名です。(HMV)

収録曲   

ディスク   1

  • 01. Theme - Largo Legatissimo sempre e nello stile medioevale detto ‘organum’ (4:29)
  • 02. I. Vivace (spiccato assai) (7:59)
  • 03. II. Moderato (8:01)
  • 04. III. Legato, soave e liscio (8:30)
  • 05. IV. [Tranquillo e piano] (part 1) (50:27)

ディスク   2

  • 01. IV. [Tranquillo e piano] (part 2) (14:18)
  • 02. V. Ardito, focosamente (8:23)
  • 03. VI. Vivace e leggiero (3:30)
  • 04. VII. [L:istesso tempo] (2:27)
  • 05. VIII. Tempo di Valzer con molta fantasia, disinvoltura e eleganza (20:54)
  • 06. IX. Capriccioso (11:27)

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カイホスルー・ソラブジ。なんとも異国情緒...

投稿日:2021/03/04 (木)

カイホスルー・ソラブジ。なんとも異国情緒にあふれた名前である。ここで言う「異国情緒」というのは、クラシック音楽史における文化の主脈を演じたヨーロッパの国々とはまた異なった印象をもたらす、という意味である。いったいどこの国の作曲家なのか。イギリスである。意外にも、カイホスルー・ソラブジは英語文化の本拠地、イギリスの作曲家である。それにしても、この名前はいったい? 実はこの人物、元はレオンという名前であった。“カイホスルー”はのちに自ら改名したもの。これには、ちゃんとした謂れがある。インド系であり、ゾロアスター教の信者であった自身に相応しい名を自ら名乗ったのだ。この作曲家のイデアは、すでにその名前からしたたかに伝わってくるのである。 そして、このソラブジなる人物、世に奇妙なピアノ作品を続々と送り出した。その多くが、ちょっと他では見ないようなものだった。しかも、自分の作品を広く普及させたいという欲求とは無縁で、しばしば演奏を禁じるなどのお触れを自ら発していたらしい。なんのために作曲しているんだ?と、凡人の私にはその深慮を探ることなど到底無理である。 しかし、その奇妙な作品の代表的なものの一つが、録音された。それが当盤。イギリスのピアニスト、ジョナサン・パウエルが、CD7枚を費やして収録したソラブジの楽曲は、わずか「1曲」である。間違いなく、この7枚のCDは、収録時間を存分に使って、1曲を収録している。冗談ではない。収録されているのは、「怒りの日によるセクエンツィア・シクリカ」。グレゴリオ聖歌の「怒りの日」の旋律は超有名だ。この旋律を引用した作曲家を挙げると、ベルリオーズ、リスト、ラフマニノフなど指折れるし、他にも知らないだけで、たくさんいるだろう。 「怒りの日によるセクエンツィア・シクリカ」は、その旋律を用いた「変奏曲」。といってもただの変奏曲ではない。尋常ではない巨大な変奏曲だ。楽曲は主題と27の変奏曲からなる。変奏の数だけみれば、グルドベルク変奏曲やディアベッリ変奏曲より少ない。だが、長いものとなると、一つの変奏で、90分を越えている。その変奏だけでも、CD1枚では収録できない。 また、構造も単純ではない。「第22変奏」は、変奏主題を用いた二次的な変奏が行われるのだが、その変奏の数たるや、なんと100である。また、最後の第27変奏は、フーガの声部を2声から一つずつ増やし、最終的には6声に至る。 これを全曲演奏するという試みが、ピアニストにとっていかにハードルの高いものであるか容易に察せられるが、しかも技術的にも至難とあっては、今まで録音がなかったのも道理。作曲者が秘匿しようが、演奏を禁じようが、広まる心配がないようなたぐいのものだった。 なので、このCDが登場し、その全曲が聴けるというだけで、これは一種の軌跡のようなものだ。聴いてみると、長い。やっぱり長い。だが、面白いものが随所にある。どこか懐かしいところがあったり、意外と人の心に寄り添うものがあったりするし、スクリャービンを思わせる雰囲気が延々と持続するようなところもあって、聴き手によっては、十分に「楽しみよう」がある音楽なのだ。 とにかく、当盤を置いて、全曲聴く機会はないと思われるものであり、ソラブジの提示した秘密の一端を味わうという点で、またとない体験を得られるアルバムとなっている。

ココパナ さん | 北海道 | 不明

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