見ること

ジョゼ・サラマーゴ

基本情報

ジャンル
ISBN/カタログNo
ISBN 13 : 9784309208862
ISBN 10 : 430920886X
フォーマット
出版社
発行年月
2023年07月
日本
共著・訳者・掲載人物など
:
追加情報
:
304p;20

内容詳細

突然目が見えなくなる「白の闇」事件から4年後、首都の総選挙は土砂降りに見舞われる。午後4時になると人びとは投票所に押し寄せるが、7割以上が白票、再投票では白票が8割を超える。政府は非常事態宣言を発し、首都を封鎖する。政府組織が市外に脱出する一方、首都では市民たちの自治が始まるが、彼らを組織する首謀者は見えず地下鉄中央駅で大規模なテロが発生する。市民たちの平和的なデモ、地下鉄前広場での共同葬儀、権力維持と自己保身に走る閣僚たち…。やがて1通の手紙が大統領に届き、「白の闇」事件でみんなを勇気づけた優しい女性の捜査が始まる。傑作『白の闇』と対をなすノーベル賞作家による警鐘の書。

【著者紹介】
ジョゼ・サラマーゴ : 1922年ポルトガル生まれ。現代ヨーロッパを代表する作家。一労働者からジャーナリズムの世界に身を投じ、社会時評や詩を執筆。75年、政権からの圧力で職を追われ、専業作家の道を選ぶ。長篇『修道院回想録』(82)と『リカルド・レイスの死の年』(84)がヨーロッパで高い評価を得る。『石の筏』(86)と『イエス・キリストによる福音書』(91)で物議をかもしたあとスペインに移住。95年、突然の失明が人々を襲う衝撃的な長篇『白の闇』が世界的ベストセラーとなる。1998年にはポルトガル語圏で初めてノーベル文学賞を受賞。2010年没

雨沢泰 : 1953年東京生まれ。早稲田大学文学部卒業。翻訳家(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

(「BOOK」データベースより)

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読書メーターレビュー

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  • かもめ通信 さん

    きっと私はこの先、選挙があるたびにこの本のことを思い出すだろう。そしてまた折に触れ、選挙とか政治家とか民主主義とかいったものについて考えるとき、サラマーゴのことを思い出しもするだろう。おそらく、見ることと見えることは違うのだ。ページをめくりながら、目にしたものをどう見るのか、提示された物語をどう読むのかと、問いかけられている気がした。

  • kosmos さん

    突然人々が視力を失った「白の闇」事件から4年後の首都。行われた総選挙で70%が白票、投票をやり直しても83%が白票という前代未聞の事態が起きた。黒幕は誰なのか、この状況を打破するにはどうしたら良いのか。簡単に人々の権利を制限してしまう政府、それぞれの思惑で動く閣僚たちが恐ろしい。最後まで読んでこの物語をどう受け取れば良いのか、いろいろと考え込んでしまった。

  • saeta さん

    7〜8年前に白の闇を読み、以後サラマーゴの翻訳されている著作はだいたい読んだように思う。相変わらず改行も無く、「」で括られていない会話文、慣れないと読みづらさはあるのかも。白票投票から首都移転に至る辺りから一気に物語もサスペンスタッチに動き出したように思う。ドットネクタイの不気味なスナイパー、警視が度々医者の妻と邂逅する水差しを傾けた女の彫像のある公園、最後医者を連行する私服の刑事は警視の部下だろうな。ハッピーエンドではないが政府とメディアの関係など色々余韻を残すエンディングだ。

  • ankowakoshian11 さん

    首都で行われた総選挙の結果、有権者の8割が白票。信任されなかった政府は非常事態宣言を発令し首都から警察・軍隊・政府を移転、誰がいったいこの事態を扇動したのか?状況が掴めず右往左往する閣僚・政治家達。『白い闇』の続編、メディアと政治が密接に連携するリスク、民主主義とは?社会批判、政府への疑念、結末を読むに現在の政権のありように悲観的なのかも知れないと思う。引いては国が掲げる民主主義というシステムそのものにも。「」や改行なくみっちり詰められた文体に最初は心が折れそうに→

  • Pustota さん

    『白の闇』の4年後、今度は投票用紙が真っ白に。初めは慌てる政府と涼しい顔の市民の対比が笑いを誘うが、次第に雲行きが怪しくなる。前作には人の力が及ばない事態の恐ろしさがあったが、今回は事態を支配しようとする力の恐ろしさを感じた。読み終わったあと、タイトルについて改めて考えてしまう。

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