【中古:盤質B】 ピアノ作品集　シフラ（p）シフラJr＆モンテカルロ国立歌劇場管(5CD)

ハンガリー出身で、「リストの再来」と評された一代のヴィルトゥオーゾ・ピアニスト、ジョルジ・シフラのショパン録音を収めた5枚組ボックス。「ワルツ集」や「エチュード」などソロ作品に加え、息子シフラJr.指揮のピアノ協奏曲第1番ほかも収録しています。
　ブリリアントかつ豪放な演奏スタイルで知られたシフラは1921年ブダペスト生まれ。幼少期から既に即興演奏の才能を発揮していた彼は、やがてフランツ・リスト音楽院に入学してエルンスト・ドホナーニらに師事しますが、当時ソ連の支配下にあった祖国を嫌って亡命を図り失敗、1950年から3年間にわたって投獄されてしまいます。いっしょに収監されたシフラJr.が獄中で死にかけたとも伝えられているこの悲惨な体験をくぐり抜け、1956年のハンガリー動乱に乗じて二度目の亡命を妻子と共に成功させるまでの前半生は、まさに波乱の連続だったようです。
　そのような背景があるいは反映しているのか、シフラの演奏は単なる名技性にとどまらない、不屈ともいえるような強い生命力に真骨頂があるとされています。時として激しすぎる情動の噴出が作品を超えてしまっていると指摘されることもありますが、そのドラマティックなアプローチが強烈な説得力を有していることは確か。このショパン演奏からも、そんなシフラの類のない個性的なピアニズムを実感することができます。

シフラ／ショパン：ピアノ作品集(5CD)

・『ワルツ集』
　録音：1977-78年（ステレオ）
・『ポロネーズ集』
　録音：1973年（ステレオ）
・『ボレロ』
　録音：1975年（ステレオ）
・『タランテラ』
　録音：1975年（ステレオ）
・『舟歌』
　録音：1975年（ステレオ）
・『即興曲集』
　録音：1974-1975年（ステレオ）
・『バラード第4番』
　録音：1970年（ステレオ）
・『ピアノ・ソナタ第2番』
　録音：1977-1978年（ステレオ）
・『ピアノ・ソナタ第3番』
　録音：1977-1978年（ステレオ）
・『24の練習曲』
　録音：1962年（ステレオ）
・『幻想曲』 Op.49
　録音：1969年（ステレオ）
・『ピアノ協奏曲第1番』
　録音：1968年（ステレオ）
・『クラコーヴィアク』
　録音：1978年（ステレオ）

　ジョルジ・シフラ（p）
　モンテカルロ・フィルハーモニ管弦楽団
　ジョルジ・シフラ Jr.（指揮）