中国生まれでアメリカで活動しているというブライト・シェンという作曲家のオーケストラ作品集である。
シェンは近年ナクソスがタン・ドゥンと共に積極的に紹介している中国系の作曲家の一人である。
本盤には3つの作品が収録されており、いずれも現代的な感覚を取り入れた聴きやすい部類に入る作品ではあるが、正直な言って一度聴けば十分と言ったところ。
演奏はサミュエル・ウォン指揮、香港フィルハーモニー管弦楽団。
香港フィルといえばナクソスのお膝元、マルコポーロに多数の中国人作曲家の作品を残したが、1980年半ばに録音されたそれらは熱意のおかげで良い演奏になっているだけで技術面ではちょっと怪しかった。
この盤で振っているウォンが新しく指揮者になった2000年よりレベルアップを図り、この録音ではだいぶ技術的に向上しているが、かつての様な熱意はなりを潜めて良くも悪くも普通のオーケストラ、演奏になってしまい残念。
指揮者のウォンはアメリカを活躍の中心にしており、ニューヨーク・フィルなどに客演してるほか、指揮者以外に眼科医としても活躍している異色の指揮者だそうです。
2002年に香港大会堂で録音された物ですが、機材が旧式だったのか、録音はひと昔のナクソスと言った録音です。