24bit/96kHzのハイレゾ・リマスター音源。Archive of Recorded Sound(ARS)と協力しての制作で、EMIの初期ステレオ録音を発売するシリーズの1作目ということです。EMIがステレオ録音を開始したのは1954年で、まさにその最初期の録音が収録されています。さらにどれも何らかの形で初出音源となっており、マニア垂涎の内容です。
メンゲスとトルトゥリエのサン=サーンス第1番はステレオ・バージョンとして初出。モノラル録音で親しまれた演奏ですが、ステレオで聴けるとは驚きです。ソロとオーケストラのバランス、テクスチュアがよりくっきりと感じ取れて感動的。
ブラームスの協奏曲はモノラルのみ世に出ていましたが、このディスクでは第2、3楽章がステレオ・バージョンとなっており、もちろん初出です(第1楽章はモノラル)。エンドレ・ヴォルフはハンガリーのヴァイオリニストで、フバイに師事した名手。1954年からはイギリスのマンチェスター音楽院で教師としても活躍しました。伝統ある良きブラームスが聴けます。
ノーマン・デル・マーの『ティル』は曲としてまとめて聴けるEMI最初のステレオ録音とされています。何故か世に出なかった音源でもあり、興味深い内容です。(輸入元情報)