アンリ・ドマルケット/オリヴィエ・グレフ:アダムの罪によりて
没後10年にして遂に実現した待望の世界初録音!
1950年にパリに生まれ、2000年に同地で急死した作曲家でピアニスト、オリヴィエ・グレフの両親はポーランド人で、医師だった父親はアウシュヴィッツからの生還者でもありました。オリヴィエは早くから才能を示し、3歳でピアノを学び始め、9歳で最初の作曲を発表します。その後、パリ音楽院とジュリアード音楽院に学び、かのルチアーノ・ベリオにも師事しましたが、その作風は機能和声や旋法を大切にしたもので、当時の現代音楽の主流だった無調、アヴァンギャルドといった過激な方向に向かうことはありませんでした。
ショスタコーヴィチやブリテンに傾倒しながらも独自の音世界を守り続けたオリヴィエ・グレフでしたが、やがて、メータやプルーデルマッハー、ダルベルト、ダネル四重奏団、パスキエ、カプソン、グァルダといった名だたる演奏家たちから高く評価を受け、オリヴィエ・グレフ財団及びアパックス社が設立され、様々な作品が出版されています。
ここに収録されたチェロ協奏曲は、作曲者が名手ドマルケットのために書いた作品ですが、演奏者のたっての希望により、この度、没後10年に待望の世界初録音が行われました。また、カップリングの『ソナタ・ド・レクィエム』は、1979年に書かれたチェロとピアノのための作品で、1992年に現在の形への改訂が行われています。
【収録情報】
グレフ:
・チェロ協奏曲『アダムの罪によりて』
・『ソナタ・ド・レクィエム』(チェロとピアノのための)
アンリ・ドマルケット(チェロ)
ジョヴァンニ・ベルッチ(ピアノ)
フランス国立管弦楽団
ジャン=クロード・カサドシュ(指揮)
録音時期:2009年(協奏曲)、2010年(ソナタ)
録音場所:フランス(協奏曲)、スイス(ソナタ)
録音方式:デジタル(協奏曲:ライヴ)