長年の夢だった作品、満を持しての録音
クン=ウー・パイクはソウル生まれのピアニスト。10歳でコンサート・デビュー、15歳でニューヨークに渡り、ジュリアード音楽院で学びました。さまざまなコンクールで優勝した後、カーネギー・ホールでオーケストラ・デビューも果たしました。その後、世界的な指揮者、楽団との共演を重ねています。「バッハ・イヤー」の2000年にデッカ専属アーティストとしてブゾーニ編曲によるバッハのオルガン作品を録音し高い評価を得ました。2005年から07年にはベートーヴェンのピアノ・ソナタ全曲録音も行いました。現在はパリ在住。2019年にショパンのノクターン全曲、2020年にシューマンのピアノ作品をドイツ・グラモフォンよりリリースして、私たちを驚かせてくれましたが、今回はグラナドスの『ゴイェスカス』でまた私たちに喜びを届けてくれます。
今回録音した『ゴイェスカス』はスペインの作曲家エンリケ・グラナドスが作曲したピアノ独奏のための組曲です。「ゴイェスカス」は「ゴヤ風の音楽」という意味で、ゴヤの絵画やタペストリーの下絵に霊感を受けて作曲されました。
クン=ウー・パイクは若い頃にニューヨークで、アリシア・デ・ラローチャが演奏する『ゴィエスカス』を聴き、深く感銘を受けました、それからほぼ半世紀を経て、彼の『ゴイェスカス』の演奏が初めて実現しました。若い頃ではなく70代になってからの録音となったのにもパイクの音楽への思いが関わっていました。パイクにとって音楽と人生はほとんど同じものといえるほど緊密に関わっています。パイクの『ゴイェスカス』は彼の音楽芸術にとっての新しい可能性とピアノ演奏の新しい展望を明らかにしています。パイクは『ゴイェスカス』にたどり着くまで長い回り道をしてきましたが、途中、フランツ・リストを通してロマンティック・ピアノの本質を、そしてモーリス・ラヴェルの作品を含むフランス音楽の展望を通して知識豊かなスペインを発見したのです。彼の『ゴイェスカス』の演奏はロマンティックな愛の種をまき、私たちにもう一度夢を見させてくれます。苦しみと喜びが一体化され、愛と死が互いに寄り添っています。
ハードカヴァー・ブック仕様。(輸入元情報)
【収録情報】
● グラナドス:組曲『ゴイェスカス』 Op.11
1. 第1曲:愛の言葉
2. 第2曲:窓辺の語らい
3. 第3曲:燈し火のファンダンゴ
4. 第4曲:嘆き、またはマハと夜鳴きうぐいす
5. 第5曲:愛と死:バラード
6. 第6曲:終曲:幽霊のセレナード
7. 第7曲:わら人形:ゴヤ風のセレナード
クン=ウー・パイク(ピアノ)
録音時期:2022年3月6-11日
録音場所:韓国、トンヨン国際コンサートホール
録音方式:ステレオ(デジタル/セッション)
限定盤
ハードカヴァー・ブック仕様