クレネク:交響曲全集(4CD)
浮ヶ谷孝夫、アラン・フランシス&北ドイツ放送フィル
マニアックなレパートリーのレコーディングに力を入れるドイツのレーベル「CPO」では、だいぶ以前にクレネクの交響曲全集の制作に着手、浮ヶ谷孝夫指揮ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーの演奏により、紛失したとされていた交響曲第4番以外のレコーディングを済ませていましたが、その後、2006年にクレネク研究所からCPOレーベルに対し、交響曲第4番の楽譜が手配可能になったため、ぜひ交響曲全集を完成させてほしいという依頼があり、それにより録音されたのがアルン・フランシス指揮ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニーの演奏です。
今回のセットは、4枚のCDをまとめてお買い得な価格設定としたもので、1920年代に書かれた若き日の交響曲第1番〜第3番と、戦後、40代後半で書いた交響曲第4番と第5番という、5つの作品をまとめて楽しむことができるものとなっています。
【エルンスト・クレネク】
1900年ウィーン生まれのアメリカの作曲家、エルンスト・クレネク(クシェネック、クシェネク、クルシェネク、クルジェネクなどとも)は、1938年にアメリカに拠点を移してほどなく帰化、1991年にカリフォルニアで亡くなるまでアメリカ人として暮らし、生涯を見てもオーストリアでの生活よりもアメリカの生活の方がはるかに長かったという人物でもあります。
クレネクはフランツ・シュレーカーに師事し、ドイツの歌劇場で指揮者として活躍中で、作曲家としてもすでにお3つの交響曲を書き上げていた時期である1922年、マーラーの次女、アンナ・マーラーと出会い、1年ほどではありますが、結婚生活を送っていました。それが縁でマーラーの交響曲第10番の一部を校訂・補筆したことでも知られています。
クレネクはジャズを導入したオペラ『ジョニーは演奏する』によって一躍有名になりましたが、これはナチスの基準では「頽廃音楽」に該当したため弾圧を受け、それにより、クレネクはドイツを出てアメリカに向かうことになります。(HMV)
【収録情報】
クルシェネク:交響曲全集
CD1: (999359)
・交響曲第1番 Op.7 (1921)
・交響曲第5番 Op.119 (1949)
CD2: (999255)
・交響曲第2番 Op.12 (1922)
CD3: (999236)
・交響曲第3番 Op.16 (1922)
・管弦楽のためのポプリ Op.54
CD4: (777210)
・交響曲第4番 Op.113 (1947)
・合奏協奏曲 Op.25-2
ハノーファー北ドイツ放送フィルハーモニー
アルン・フランシス(指揮:CD4)
浮ヶ谷孝夫(指揮:CD1-CD3)
録音時期:1993-2006年
録音方式:デジタル